『二宮翁夜話』から問題意識を教材化するーその105「誰かが喜べば、誰かが苦しむ」 | 問題意識の教材化(MIK)ブログ

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今の「学び」を「〇〇のため」で終わらせずに、「〇〇とともに」にしていくために、問題意識を教材化して、日本の教育システムで閉ざされたものを開き続けます。

今日の一日一読は「〔105〕吉凶禍福は相対のもの」でした。興味深いのは尊徳が相対だという例です。

「ねこがねずみをとったときは楽しみの極だが、捕えられたねずみは苦しみの極だ。へびの喜びが極まるときはかえるの苦しみが極まり、たかの喜びが極まるときはすずめの苦しみが極まる。猟師の楽は鳥獣の苦、漁師の楽は魚だ」(146ページ)

このように世の中に起こっていることは、一方が喜べば、その分誰かが苦しむことになっている。ただし、このことを悟って、世俗を離れてしまうとどうだろうか。尊徳は「その志や行いは尊いように見えても、世のためにならないのだからほめるに足らない」(147ページ)と述べている。

では、ただ苦しみに耐えるだけでいいのか。否。尊徳は双方が共に喜びになる道が4つあると言う。すなわち、天地の道と親子の道、夫婦の道、そして農業の道です。これらについては、すでにその101で取り上げていますので、ご参照ください。