リューは、雅を抱きしめてなんてくれない。
向こうにその気がないのなんかわかってる。
雅ももう今度は観念する。
晃輝は走って自分を追いかけて来てくれた。
「わかったよ…」
同じ街に住んでいるのだ。リューには又逢えるに決まってる…
そう、信じたかった。
「じゃあ、行くよ」
少しふてくされたように言った。
リューが自分のことを何も思ってなくても構わない。
あっさり過ぎる位抵抗しなかった。
その行動の裏には、雅のある思いつきがあった。
…善人の〈アキテルさん〉を墜とそう。
なんて愉しくてワクワクする計画だろう!
雅は、リューに相手にされなかった〈腹いせ〉を晃輝に〈恋に墜ちさせる〉ことで手を打とうと考えた。
全ては、馬鹿な子供の考えなのだ。
それでいい。
晃輝なんか、俺の罠にかかればいい!
雅は、黒い思いが脳を支配して自分も死んでしまえばいいと、そう思った…
