大家族の賑やかさにあっけに取られていると、すぐに時が経ってしまった。


「風呂入るもの~!集まれっ!」

「はいっ!」

「ハイ、ハイ!」

幼い弟妹の風呂入れは長男の仕事らしい。
孝太郎がさっさと服を脱ぎながら浴室へ向かう。

その後をサキと太一がちょこちょことついて行く。
まるで保育所だ。

「祥太はァ?ついでに入っちまえ」

「だって宿題が…」

「そんなもん後でやれよ」

「えー」




。。。。。。。。。。。


「あのね、大(おお)兄ちゃん、幼稚園でねー」

「たいちねぇ、たいちねぇ…」

弟妹の憧れ、大兄ちゃんはまるで父親の様である。
風呂の中でも体を洗ってやりながら、懸命に話しかけてくる二人の相手をする。




風呂上がり、腰にタオルだけ巻いて二人の頭や体を拭いている孝太郎の後ろ姿を見ながら

雅は、

「いーなー、〈お兄ちゃん〉…って…」


若干頬は赤かったと思う。思うが、そこをさやに見つかった。


「兄貴ィ!兄貴の裸見て、ヨダレ垂らしてる不審者発見しましたァ~。どーしますかー?
コレ!」


首根っこを掴まれ、まるで吊るした猫みたいに引っ張られた。


が、

「ミヤビは風呂入ってかないのか?」

「え?…ううん、いいよ。家で入る、から…」


妹は軽くスルーされてしまった。
悔しくて間に割って入る。

「そーよ!こんなオカマ野郎のダシなんて取らないでよ!」

「ヒッデ…」
横目で苦笑いしてると、

「こんなの気にしなくていいぞ。入ってけよ。祥太まだ入ってないし、ついでに…」

「や、ホントいいって…」

「ナーニ、照れてんだか」

妙に意識する雅に、祥太がパンツ一丁で通り過ぎ様ボソッと言った。