エコな寄り道…
突然ですが、皆様、伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)ってご存知ですか20年に1度、正殿(しょうでん: 神宮の中で中心の社殿)を始め、建物全てを新造し、さらに殿内の御装束神宝(おんしょうぞくしんぽう:神様の衣服や正殿の装飾や器物)を新調して、神様を新しいお宮へ遷す、という何やら大変そうなお祭りです
第1回の式年遷宮が行われたのが、持統天皇4年(西暦690年)ということですから、何と約1300年前それから戦国時代の一時中断を経て、現在までに61回行われています。
えー、この式年遷宮とエコ、いったいどういった関係があるかと申しますと、先ず、この遷宮に使われる木材は10回先、20回先の遷宮を見越して計画的に植林されていることです。木を切り出す山は「御杣山(みそまやま)」と呼ばれ、むやみに木を伐採しているわけではないのです。
また、20年に一度建て替えられた古い神殿の行方ですが、正殿の棟持柱(むなもちばしら)として20年間使われたものは、削りなおして伊勢神宮の鳥居になります。そのまた20年後は、昔の伊勢街道の入口、関の追分と桑名七里の渡口の鳥居として、20年間再々利用します。その後も氏神様のお手洗いになったりなどなど…。
その他の古材も、由緒の深い全国の神社の修繕にむだなく用いられます。なんと素晴らしいリサイクル
その他にも、御装束神宝は古代のまま、その時代時代の最高の工芸家によってつくられていますが、20年毎に繰り返すことにより、技術も途切れることなく受け継がれていくという仕組み!
材料も技術も循環している、伊勢の式年遷宮、これこそ素晴らしき『NIPPONのエコ』ではないでしょうか?
第62回の式年遷宮は平成25年ですが、その端緒となるお祭りは、すでに平成17年から始まっています。むか~し、昔の『今』が現代にのこる伊勢神宮に、みなさま「お伊勢参り」と洒落てみてはいかがでしょうか??