SNSは今や世界の多くの国々で悪法を正す決め手になりつつありますが、この度「検察庁法改悪案」が秋の国会へ持ち越しになったことは、日本のネット社会の快挙と言ってよく、同時に民意の形成にSNSが極めて有効であることを改めて知らしめるものでもありました。
 
 
 
 
 ただ、長らく政権の座に居座り続けて来た与党が、こと国民の目を欺くことにかけては超一流であることは、肝に銘じておくべき処。
 
 元を正せば、国家公務員の定年延長問題を迷彩にして「国家公務員法改正案」と「検察庁法改悪案」を束ねて国会へ提出するなどと言うふざけたマネが出来たのも、「一括りにしてしまえば、中身を見る国民などごくわずかだろう」と高をくくっていたからに他なりません。
 
 それだけ国民を舐めている、ということなんですが、これがひとたび“数”になると途端に身を翻すのも、与党の常套手段。
 
 とは言え、政府が「政治家に対する検挙を握りつぶしてくれる人物を検事総長にする」という策略を断念するはずもなく、「国民の声には真摯に耳を傾ける」と言いながら、「検察庁法改悪案」を一向に廃案にしない処にも、それがよく表れていると思います。
 
 はっきり言ってしまえば、「今はStay Homeで暇だから、ニュースを見て政府を批判しているが、コロナが一段落する秋以降になれば世の中が動き出し、日々の仕事に追われ、ゲームやスポーツに夢中になる生活に戻るのだから、政治への関心はなくなるだろう」と踏んでいるわけです。
 
 こういうヤカラを相手にしている以上、我々にもそれなりの構えが必要になるわけですが、取り分け「政治に感心を持ちづける事」、「政府がやっていることの経過と結果を照合する事」、「決して諦めない事」は、大切だと思います。
 
 
 
 
 ここで、継続審議となった「検察庁法改悪案」について少々。
 
 この法案には二つの骨子があって、その一つが現在検事総長を除いては63歳となっている定年を一律65歳にしようというもの。
 
 労働人口の減少が差し迫っている中、知識や経験が豊富な人材を国の財産として長く活用しようという主旨は極めて妥当で、野党の反対が無いのも頷けます。

 しかしこれは飽くまで国家公務員についてで、検察官は別問題。個人的には、現行の「検事長は63歳、検事総長は65歳で退官」が最適だと考えています。
 
 何故なら、検察官は時の総理大臣をも訴追出来る権力と、外部の支配が及ばない(よほどでない限り罷免されない)身分保証を受けており、仮にその権力が乱用されるようなことにでもなれば、社会が大混乱に陥るからです。
 
 人や組織が長い間権力を持ち続けていると、必ず腐敗するのは政界を見渡せば一目両全。検事総長の職務が最長2年までとされているのも、実は腐敗防止を目的としているんですね。
 
 
 次に、改悪案の二つ目の骨子ですが、これは内閣の独断で「役職定年」を最長3年まで延長出来る、というもの。して、これがどういう結果を招くかというと…
 
 仮に政治家の検挙をもみ消し続けて来たブラック検事長と、長らく政府の不正に立ち向かってきたホワイト検事長が、共に63歳で定年を迎えたとします。二人は改悪法により65歳迄定年を延長されますが、ブラック検事長を検事長の職のままにしておき、ホワイト検事長を平の検事に落とす、ということが、内閣の一存で出来てしまうんですね。
 
 しかもブラック検事長が60歳の時に検事総長になれば、内閣の意思で68歳まで、その職に留めて置くとが出来るわけです。
 
 もしそうなれば、検察庁が政府と同じように腐敗してしまうのは火を見るより明らか。日本は本当に、終わってしまいます。
 
 だからこそ、 「検察庁法改革案」は、何としても廃案に持ち込まなければなりません。
 
 その道は平たんではないかもしれませんが、今回皆さんが示されたネットの力をさらに強く、大きく育てることが出来れば、叶わないことではないと、私は信じています。
(^^)
 
 
 
 
では、また!
(^^)/
 
*検察庁法改正について詳しくは、コチラをドウゾ!
 
 
 
 
 THE BLUE HEARTS - 青空