原発と劣化ウラン弾、そして米軍基地-イラク戦争10周年 | みいすけ380のブログ

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今日、TBSラジオ『デイキャッチ』で、火曜日レギュラー・コメンテーターの小西克哉氏(ジャーナリスト)が、イラク戦争と劣化ウラン弾の問題を取り上げた。

劣化ウラン弾は、核兵器や原発と密接な関連がある。そして、劣化とは言っても、天然ウランの60%の放射能毒性を有する。砲弾の先端に使用され、高い貫通能力から特に対戦車攻撃用として使用され、着弾・燃焼し戦車を破壊する過程で、放射性物質を飛散させる。また、その劣化ウラン弾からの攻撃の防御用に戦車の装甲に使用されるという。中国の故事「矛盾」を思い出すが、これはそんなのんびりした時代の話ではない。

その強力な破壊力から、米軍やNATO軍によって戦争・紛争時に使用され、広大な汚染地帯を作り、そこ(たとえばイラクのバスラ等)では、白血病をはじめとする様々な放射能影響とみられる疾患や奇形児の出生が増加している、と言われている。

また、米兵の「湾岸戦争症候群」というものもある。湾岸戦争に従軍した元アメリカ軍兵士には、癌をはじめとする病気の発生率が高く、自殺率も高いという。

明日(320日)で開戦からちょうど10年になるのを機に、改めて「イラク戦争とは何だったのか」ということを問い直すとき、この戦争で米軍によって使用された劣化ウラン弾の問題は避けて通れない。


小西氏は、明日早稲田大学で開かれるイラク戦争に関するシンポジウムに通訳として参加されるという。

http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-March/023063.html

2013320日開催 早稲田大学シンポジウム「イラク戦争の10年と日本」分科会(1)「イラク戦争と劣化ウラン弾」



 小西氏は今日の『デイキャッチ』で、劣化ウラン弾について上述したような内容を解説していたが、どうもどこかで同じような話を聞いた記憶がある。少しして、以前大阪の毎日放送のラジオ番組『たね蒔きジャーナル』(2012年秋に放送終了)で、ジャーナリストの西谷文和氏が出演した際、イラクやアフガニスタンでの劣化ウラン弾によるとみられる健康被害の問題を取り上げていたのを思い出した。そして、その番組を聴いた後、ウェブで劣化ウラン弾について調べたところ、詳しく解説しているページがいくつかあった。

どうも、小西氏は、その時私も読んだウィキペディアのページを元に解説している感じがしたので、もう一度読み返してみた。確かに、今日聞いた話と重なる部分が多い。ははあ、小西さんもしかして、通訳頼まれて劣化ウラン弾関連の専門用語が出てきたら困るので、にわか勉強でもしたのかな?(笑)


 それはともかく、このウィキの解説はかなり専門的な内容も含まれるが、その危険性と恐ろしさは十二分に伝わってくる。そして、そのウィキのページ中では、劣化ウラン弾を91年の湾岸戦争や2003年のイラク戦争で使用したアメリカ軍およびアメリカ政府が、劣化ウラン弾と内部被爆・健康被害の因果関係を否定し、フセイン政権の化学兵器等の影響だとしていること、また、WHOも同様に因果関係を認めていないこと等について触れられている。

あれ、これもどこかで聞いた話と似ている。

そう、チェルノブイリだ。同原発事故が発生した1986年から45年後、次々と大量に発生する子供たちの甲状腺癌が、原発事故により大量に飛散した放射性物質の影響であることを認めたWHOだが、それ以外の様々な疾患については放射能との因果関係を未だに認めていない。長期で大量の疫学的データがなく、統計的優位性が認められないとか何とか言って、WHO=世界保健機関が否定しているのだ。怪しいことこの上ない。


 劣化ウラン弾は核兵器や原子力発電で使用する濃縮ウランを精製する過程で大量に残る「低濃度の」ウラン。「低濃度の」といっても、その放射能毒性は恐ろしい。

以下のウェブ・サイトにも詳しく説明されている。


http://www.nuketext.org/du.html


ウィキペディアのページはこちら。


「劣化ウラン弾-Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A3%E5%8C%96%E3%82%A6%E3%83%A9%E3%83%B3%E5%BC%BE


 以下は、同ページのうち、放射能毒性について書かれた部分。

劣化ウランは、主体を占めるウラン238 、ウラン濃縮過程で取りこぼされたウラン235 、それらの子孫核種により、放射能 を持つ。 劣化ウランの放射能は14.8 Bq /mgであり[3] 天然ウランの25.4 Bq/mgと比較すると約6割と低い。

具体的な兵器に含まれる量を計算すると、例えばM1エイブラムス戦車で使用する120ミリ砲弾M829には、約4.9kgの劣化ウランを使用するため、14.8×4.9×1,000,000 72,520,000 Bq 70 MBqの放射能が砲弾一発に含まれている。(以上、引用終了)


劣化ウラン弾は、湾岸戦争やイラク戦争だけでなく、ボスニア紛争やコソボ紛争においてもNATO軍が使用した。その数はボスニアで1万発、コソボでは3万発にものぼるという。

そして、恐ろしいのは、米軍の軍事演習が行われている地域では、当然使用される可能性を否定できない、ということだ。日本国内、とりわけ沖縄では、米軍による劣化ウラン弾の使用の危険性、環境への悪影響、健康被害が懸念される。


また、日本が原発を使い続けるということになれば、当然、燃料として使用するウランの濃縮過程で生まれる大量の「劣化ウラン」が、今後、世界各地の紛争地帯で砲弾や戦車の装甲として使用され続け、その地域で暮らす何の罪もない人々、とりわけ子供たちや若い女性を被曝させ、健康被害をもたらすー今までもそうだったように、これからもその可能性を持つことになる。

もちろん、ウラン鉱山での採掘時にも、その作業員たちの健康影響は計り知れない。


原発を使うということは、こんな数多くの罪を世界にもたらすのだ。『風の谷のナウシカ』の世界は、単なる絵空事ではない。