本来であれば本日は千秋楽。

このような形になっても、

温かいお言葉をくださった皆さま、

本当にありがとうございます。


今日はいつもであれば、

皆様に感謝の気持ちを伝える日でありましたが、

祈りを込めて、

小林さんのお話を書かせてください。



イルカ団 NEW ROMANTIC

“B.C.D.!! Behind closed doors”

“HABITABLE ZONE!”


小林さんとは出会って3年半。

ご一緒させていただいた作品は、7作。



出会ってまだ3年半だったんですね。

密度が濃かったもので、短く感じます。


イルカ団さんは、

小林さんだけで構成されたユニット。

そこにお馴染みの客演さん達がいる。

レギュラーの客演陣のみんなが常に協力体制。


にしても、年に2〜3度の公演。

大体、1公演新作2作。

脚本、演出、制作、衣装手配、小道具手配、

その他諸々すべて1人でやっていた。

改めて凄すぎます。


イルカ団に集まるみんなを見ていると、

商店街の仲間のよう。

家族ではないけれど、とてもアットホームで。

小林さんを筆頭にみんな少し人見知りで、

でも本当はみんな人が好きで、

集まるのも大好きで。

新しく入った人にも非常に優しい場所。


私は3年半という短い時間でしたが、

ここで出会ったみなさん大好きで、

いつも温かく迎え入れてくださいました。

こうやっていつもの季節がきたら、

また小林さんとみんなと作品が作れる。


そう思っていました。

いつしか、

私にとっての心の拠り所になっていました。


すべて小林さんのお人柄だと思います。



小林さん、イルカ団との出会いは、

ルパンシリーズの1作目。

『et Sonia!』


会ったこともない私に、

作品の題名にもなるヒロイン「ソニア」を任せてくださいました。


その後も、私に役者人生で出会うと思わなかったような役と沢山出逢わせてくださいました。

原作がありながらも、ほぼあて書き。

確かに台本の完本は遅かったですけど、

そこは役者には関係あるようであまり関係ないとこの3年半で感じさせられました。

そことクオリティーが絶対の=ではないと。

役者それぞれの力と、想像力があれば、

不可能はないと。

そのうえで自分の力不足を痛感する場所でもあり、

常に高いものが求められる現場でした。


根性が必要だったので、

少しの余裕は欲しいなと思った時もありました。笑


冗談はさておき、

本当に3年半にわたり贅沢を経験させていただきました。



小林さんにはいつも、

『私はいつもヒロインをやる役者ではないんです。私で大丈夫なのでしょうか?』

と事あるごとに伺いました。


その度に『実里はこっちの人だよ。』と。


本当にありがたいお言葉で。

自分ではそもそも見向きもしていなかった場所。

夢にも思ってなかった場所。

私よりも私の事を信じて

向き合ってくださいました。


そこから、

他の団体さんでもありがたい事に、

ヒロインや主演をやらせて頂く事にもなり。

改めて『ソニア』がなければ私のその後の役にも出逢えなかったはずです。


中心部にいながら、作品とどう向き合うか。

今回の座組みで自分がどう動くのか。

みんなとできる事は、

そのうえで私にできることは何か。

そのうえで私だからできることは何か。

私に足りないものは何か。



小林さんは私の成長も考えてくれていました。

 『La Machine』をやった時には、

2つの役で配役を迷われていましたが、

「いつもと一緒では仕方がない」

という事でドルガという役をいただきました。

そのおかげで、今までのイルカ団でのイメージを払拭する事ができました。




どの時もそうでしたが、

小林さんのダメ出しを深堀りする時間が大好きでした。


「〜して欲しい・・・」

この言葉の裏側に膨大な情報量が隠されていて。


役を追いすぎて、

作品を俯瞰して見れなくなってる時は、

この深堀りに頭が蒸発しそうになります。


でもその度に、

「あっいかんいかん、違う方向へ進んでるぞ」と

自分のバロメイターみたいなものになってました。



果たしてそれが合っていたのかどうかは分かりませんが。


少しの言葉で小林さんの言いたい事が汲み取れて、

言葉なく頷き合えた時は、

心の中で大きめにガッツポーズしてました。



今回は作品的にも役的にも、

「このシーンをどう見せるのか」

「作品一部としてどう存在するのか」

「どう存在することが、結果的に作品としての良さを生むのか」


作品の深みを出す為と思ってやっていた事が、

逆効果をうんだり、


小林さんのダメ出しを聞きながら、

あーなんだよ、難しい。

やっぱり面白いな、楽しいな。

っと思っていました。


最終稽古に向けての予習していた時間で、

あっ最後にこれに挑戦してみよう!

とわくわくしていた事がいくつかありました。

見ていただくことは叶いませんでしたが...


ビジュアル撮影の時に役を教えていただき、

稽古に始まったばかりの頃には、


『大野さんが、御子柴。実里がアカリ。楽しみだねー。どうなるかねー。』

っと話してくださいました。


本番は残念ながら迎えられませんでしたが、

お稽古期間その期待をさらに膨らませる事はできていたでしょうか。


私にとっては初めての小林さんオリジナル作品でした。

正式なイルカ団初出演になるはずが。

しばらくに間お預けになってしまいました。


小林さん、

昨年からかな、

未来の話を沢山しましたね。

『この役を実里でやるのをやってみたい。』

『動く役、あの子がダメだったら次は実里かな、

でも実里もいい年だからな。』笑

『来年のルパン早く事務所に連絡しないと』


私結構ちゃんと覚えてますよ。笑

だって嬉しかったから。



やらせてくださいね、いつか。

そして書き続けてくださいね。

そちらで偉大な方々相手に、

本を書き始めたりしちゃいますか?

それもいいですけど、

私たちにもいつかの作品をお願いしますね。

期待しています。


おもしろいです。小林さんの作品。

伝えましたが、

今回のあの水面の話。最高です。大好きです。


またやりたいです。

話は尽きませんが、

コロナの状況が落ち着いたら、

みんなと会って語らいたいです。


どうかそこから見守ってください。

道を間違えた時には笑ってやってください。

小林さんが私を信じてくれたように、

私も相手を信じてお仕事を続けていきます。


千秋楽、お疲れ様でした。

お世話になりました。


ありがとうございました。

本当に本当に。


また。


2018 ARSÈNE LUPIN『et Sonia!』

2019 ARSÈNE LUPIN ep2 『le RETOUR D』

2020 ARSÈNE LUPIN ep3 『vs  GANIMARD』

2020 GRAND GUIGNOL  『La Machine』

2021 ARSÈNE LUPIN ep3 『黄金仮面』

2021 NEW ROMANTIC 『B.C.D.!! Behind closed doors』