産婦人科の初診から2週間が経ちました。
その間、私は赤ちゃんを産みたいということを彼に、遠回しに伝えていました。
はっきりと言えなかったのは、彼を不快に感じさせたくなかったのと、面倒くさい女だと思われたくなかったからです。
彼からの返事は、
“産まれてくると赤ちゃん含めてみんなが不幸になる。こんな関係で産んだyumeもバッシングを受ける。これまでの全てが台無しになる。産む選択肢はないんだよ。”
彼には産むことを完全に拒否されました。
私は、彼や彼の奥さん、お子さん、私の旦那さんに迷惑をかけることはできないと思いました。
パパに歓迎されない赤ちゃんを思いました。
赤ちゃんが過ごす日々について考えました。
優しい旦那さんを失うことについて考えました。
堕ろすことを、今日、産婦人科の先生に伝えようと心に決めました。
診察室に入るとすぐに内診でした。
赤ちゃんの心拍も確認できました。
先生が一生懸命私に、赤ちゃんのわずかな動きを伝えようとしてくれましたが、私はその時メガネがなく、見ることはできませんでした。
非常に悔やまれます。
それから先生に
“堕ろす決意をしました”
と伝えました。
それからは、手術の承諾書の説明を受け、2日にわけて手術すること、11月16日までに中絶手術の予約をおこなうように話がありました。
承諾書には、配偶者氏名欄があり、先生にこの場合どうすればよいか、たずねました。
彼か旦那さんどちらかの署名が必要で、もらえない場合、空欄でも仕方ないとのことでした。
でも後々揉めることもあるから、署名はもらった方が良いと言われました。
―私たちに関しては、揉めることはないだろうな…―
診察後、中絶手術のための血液検査がありました。
私の血管は非常に細く、いつも、血液検査をする看護師さんに苦労させてしまいます。
何度も注射針を刺され、横に寝かされ、精神的に不安定な私は、震えが止まりませんでした。