立ち上がる12w2day
妊娠してから4回目の通院



ドキドキドキドキドキドキ
ため息ばかり



今までは内診→診察の順番だけど
この日に呼ばれたのは内診室ではなく
診察室だった。





予想通り
前回の検診結果から
「子宮頸がんの疑いが強い」
と言う話だった。




現時点では確定診断は出来無いけれど
ポリープも見えていることから
子宮頸がんである可能性が
極めて高いという事


子宮頸がんが確定した場合は
進行具合や種類によって
妊娠継続出来ない可能性がある事


継続出来たとしても
早産で産むなど
母体の治療を優先に考えていく
必要があるかもしれ事





いずれにしても
通院中のこの病院でこれ以上は
何も対応出来ない
と言う話だった






病気を指摘された直後
この時の気持ちを
全然覚えていない




子宮頸がんに関しては
ある程度、予想していたので

やっぱりか
っていう気持ちと

どうにかトラちゃんを守りたい
っていう気持ちだったと思う




子宮頸がんに関する知識が
無かったからこそ

起こっている現実や未来を
想像するコトが出来ず
まだまだ自分の中でも処理出来ず
状況を理解出来ていなかったんだと思う。


病院からの着信理由が分かって
スッキリしたって気持ちでさえ
あった様に思う。



トラちゃんに
どこまで影響を与えてしまうか
そこが1番の不安で
同時に、改めて絶対守りたい!
って決意した記憶がある。





そして、この時の感情を
覚えていない大きな理由がもう1つ…
というかほぼコレが原因だと思う

この後で発覚した事実が
衝撃過ぎたから。








これ以上この病院で診察は出来ないため
予定していた妊娠検診も
今日は行わないという事だった



ただ、エコー確認したのが
2週間前だから
赤ちゃんの様子だけ
確認してくれるとの事だった。





初めての経腹エコー
ゆっくりエコーを当てて
トラちゃんを確認してくれる



モニターが自分の頭側にあるから
見え辛い…
身体の向きは変えないように
頑張ってモニターを覗き込んだ








・・・・・・何か違う
いつもと違う。


トラちゃんはいるけど
「無音」




今までの生き生き感じる雰囲気ではなく
静まりかえってる。




今でもその時の映像を思い出すと
心が締め付けられる。



トラちゃんは
なんだか臍の緒に繋がって
自分の意思はなく
ぷかぷか浮いている様だった






一瞬不安になったけど
私の見方が悪いのか?
よく分かってないもんね…
って気を取り直した。




でも、自分の視線を
モニターからドクターへ移した瞬間


あ、違う

勘違いじゃなくて
良くないコトが起こってるんだ



ってスグに分かった。





ドクターのエコーを診る姿が
明らかに緊迫している
いつも穏やかな先生なのに
焦る姿が印象的だった



そして、
「何か異常を感じた事はありましたか?」
って聞かれた。



この2週間で身体の異変は
全く感じなかった

出血はもちろん
子宮の痛みも何も感じなかった





無言のまま
しばらくエコーを見続けて




落ち着いた静かな声で

「赤ちゃんの心臓が動いていない」
と宣告を受けた。