![$こみたんの映写会](https://stat.ameba.jp/user_images/20110910/18/miicyann-0324/bf/30/j/t01880268_0188026811474277940.jpg?caw=800)
監督 アンジェイ・ワイダ 制作ポーランド 2010年
出演 マヤ・オスタシェスカヤ
アルトゥル・ジェミィフスキ
2010年4月10日カティンの森虐殺事件の、追悼式に出席するはずだった
ポーランドの大統領の政府専用機が、スモレンスク郊外で墜落
した事故がありました。
ポーランドでながく真実が明らかにされなかった
第二次世界大戦中に起きた事件の映画化です
1940年ポーランドは西地域をドイツに東地域をソ連赤軍に分割占領されます
カティン事件は1940年ソ連赤軍によってポーランド将校、学者、知識人、技術者、聖職者、1万人以上も虐殺されながら、ソ連はナチスドイツの犯行として認めませんでした
戦後ポーランド統一労働者党もソ連共産党の支配下にあり、
真相を追求できるものが、冷戦時代の西側を含め誰もいなかった のです
1989年ポーランドの共産主義政府が倒れ、ソ連も初めて事件を認めた時から
アンジェイワイダの執念による映画制作がはじまりました。
![$こみたんの映写会](https://stat.ameba.jp/user_images/20110910/18/miicyann-0324/60/39/j/t01880138_0188013811474277939.jpg?caw=800)
予告編
アンジェイワイダの父親もカティン虐殺にあっています
抵抗3部作からいたり83歳の老練な手腕が光ります
戦争を歴史の年号でしか知らない私達と、肌で知ってる監督とは事件の捉え方が違うのです
映像が重く、将校たちの不安、大衆の怒り、諦め、残された者の悲嘆を描くのに、
無駄がない余韻が残る。それだけに
静かな怒りとともに、真実が重くのしかかる
![$こみたんの映写会](https://stat.ameba.jp/user_images/20110910/18/miicyann-0324/4d/48/j/t02200161_0262019211474277941.jpg?caw=800)
カラーなのにどこかセピア色の映画のようなすでに時代を感じさせる
完成度の高い作品
とくに大将夫人がソ連の犯罪だと、ナチスのプロパガンダに利用されるのを拒否して
ビルから出てきたときのカメラワークがどこへ向かえばいいのとばかりに絶望を象徴していて絶妙です
ワルシャワ蜂起の生き残りの娘の、
私たちはどこの国にいるのという問いかけに、
あの時代に答える事のできたものはいませんでした
2010年プーチンは内務人民委員会(KGBの前身)の犯罪と認めたものの
謝罪はしていなません