なんですが・・・


このままいくと、多分かなりの量になりそう・・・^^;


これはまず春休み中に終わらんかもw


そして何よりやる気が続かんかもw


まあ頑張ります。

一日目

「ここで緊急速報をお届けします。本日、日本時間で午後一時にアメリカ航空宇宙局(NASA)から、巨大な隕石が今から三日後の五月十四日の午後三時に地球に衝突するという発表がありました。NASAからの発表によりますと、隕石の直径は三万キロメートルにも及ぶとのことで、この衝突により、地球上の生物はほぼ全滅すると考えられるとのことです。」

そんなニュースを目の当たりにしたのは、たまたま職員室でいつもつけっぱなしにされている、誰が見ているともわからないようなテレビでだった。はじめにそのニュースを見た時は、何かのドラマかと思った。時刻はお昼をちょっと過ぎ、たしかこの時刻はお昼のドラマといったものをやってた気がする。小学校の夏休みなどは母親と一緒にそのドラマを見た記憶がある。しかし、最近はこういったドラマが流行りなのだろうか。昔はもっとかわいらしいドラマが多かったと思うのだが。そんなことを考えていると授業開始のチャイムが鳴った。さて、授業に行かなければ。そう思って席から立ち上がり、教室に向かった。

「はい、席について。前回は二三ページまで進んだので、今日はその続きからやります。」

そういって私は黒板の左上にページ数と、今日行う予定のテーマをその横に書き込む。

私はこの学校に勤め始めて三年目になる。歴史に興味があった私は高校を卒業後、地元の大学の文学部に進学し、教員免許を取って高校の社会科の教員となった。大学卒業後すぐに就職したので、教員としてかれこれもう八年ほどは働いていることになる。別に今の職業に不満もないが、そのうち今の彼と結婚して家庭に入るのもありかな、なんて考えている。

「さて、じゃあ次のページに言って、中国の歴史に…」

その時だった。急に校内放送が流れ始めた。

「全教員に連絡します。授業をいったん中断し、今すぐ会議室に集まってください。繰り返します、全教員は…」

なにかあったのだろうか。全教員を集めることなど、朝の会議以外では滅多にないことだ。しかもそれが授業中となると、かなり重要な何かがあったのだろうか。

「みんな、しばらくの間静かに自習しといてください。」

そう言って、教室のドアを開けるとちょうど隣の教室からも、教員が困惑した顔で出てくるところだった。

「いったい何事でしょうね。」

私はそう話しかけた。

「ああ、高木先生。いったい何事でしょうね。今まで一度もこんなことありませんでしたよね。」

「そうですね。まあ大したことはないとは思うんですが。」

そう答えつつも、私はなんとなく不吉な予感がしていた。

職員室につくと、もうほとんどの教員が会議室に集まっているようで、自分たちが席に着いた後、二、三人の教員が入ってくると校長先生が話し始めた。

「授業中の急なお呼びたて、申し訳ありません。今回急に集まっていただいたのは先ほど、、今日から三日後に人類が滅亡するそうだが、学校はどうするのか、という質問をある保護者の方からいただきました。」

その発言を聞いた教員たちにざわめきが広がった。これはいったい何の冗談だ。私もそう思いかけた。校長は話を続ける。

「はじめは何かのいたずらだと思い相手にしていなかったのですが、こういった問い合わせが多数かかってきたので、関係各所に確認をとったところ、どうもこれが事実なようです。」

この発言で教員の間で動揺が広がった。そのほとんどがこの突拍子もない話についていけていないようだった。こほん、と咳ばらいを一つすると、校長は話を続けた。

「情報の発信元はNASA。そう言う意味ではある程度の信憑性はあると考えられます。また発表の内容としては、巨大な隕石が三日後の五月十四日に地球に激突し、人類が滅亡するという内容でした。それで、この情報が信用に足るものだという仮定での話になりますが…」

「すいません。」

そこで校長の近くに座っていた男性の教員が手を挙げた。少し痩せた感じの眼鏡を掛けたその教員は、校長に先を促されて話始めた。

「落下地点の予測などの発表はあったのですか。」

「いや、今のところそこまでの情報は発表されていないようです。」

「では、大きさは。」

「全長は約三万キロメートルだそうです。」

三万。その大きさに教員のほとんどは驚きを隠せなかった。さすがにその大きさの隕石が衝突すれば、ほとんどの人類は死にたえるだろう。その数字はあまり理科などが得意でもない私でも十分にそう思わせられるような大きさだった。

「えーそれで、この情報が信用に足るものだとして」

再び校長が話し始める。

「我々に残された時間は三日間。この三日間、学校を運営するのかどうか。運営するならばその授業内容など、どうするかを協議していきたいと思います。ご意見のある方は挙手願います。」

そう言って校長は部屋をぐるりと見渡した。そこで最初に手を挙げたのは、先ほど質問をした先生だった。

「村井先生どうぞ。」

「本当にその大きさのものが、地球に衝突すると考えるなら人類は本当に絶滅すると考えられます。我々の仕事は未来の担い手である子供たちを育てることです。それならば、残された時間に学校を運営する理由が見当たらないと思います。あと三日、学校は閉鎖するということでいいのではないでしょうか。」

その発言に対してほとんどの先生がうなずいた。

「では、とりあえず学校は閉鎖するという方向で。他に何かありますか。」

別の先生が手を挙げる。

「坂木先生どうぞ。」

「確かに授業はする必要はないと思います。部活の方はどうしましょうか。」

それに対してまた別の先生が発言する。

「部活は自由ということでいいのではないですか。日頃の練習からして、顧問の先生方が最初から最後までついているわけではありませんし、生徒が部活を行いたいというならばそれは認めてあげるべきです。」

「あの、それは我々顧問も部活に参加しなければならないということなのでしょうか。」

坂木先生がそう不安げに校長の顔を覗き込む。

「通常通りで考えるならば、部活動を行うならば顧問の先生がその練習を監督しなければなりませんが。」

机の上で組んでいた指を組みなおして、少し思案した顔になる。

「今回は平常時ではありません。もちろんその部活動の監督をやっていただいても構いませんが、基本的には参加されなくて結構です。先生方も、残された三日間、有意義にお過ごしになられたいと思います。」

そう聞いて、坂木先生の顔が安堵した顔になる。そこに校長が「ただ」と付け加える。

「もし、生徒が望むなら参加して頂けると嬉しいですね。我々は教育者です。それは単に子供たちに勉強を教えるだけじゃなくて、他にももっといろいろと大切なことを教えてあげることが仕事だと思っています。そう、それは頑張ることの大切さや、友人の大切さ、命の大切さなど、上手く言葉では伝えられないものばかりです。だからこそ、それは普段の授業だけでは伝えることができない。もし生徒が先生方が部活動に参加されることを望んだら、それはそういった大切なことを伝える絶好の機会だとは思いませんか。残された時間だからこそ、そこから学べる大切なことが多くあると思いませんか。逆にそこで自分の事情を優先して、生徒たちを見捨てたなら、生徒たちはそんな大切なことを学べず人生を終えてしまう。それはなんだか悲しいとは思いませんか。私はこの世界が終る最後の最後まで教育者でいたいと思うんです。先生方にもそういった気持ちを持っていただけたら嬉しいななんて思いますね。」

そう言って校長ははにかんだ笑顔を見せた。

「さて、少し私情が挟まってしまいましたが、生徒たちが望んだ場合、その部活動に参加するかどうかは先生方にお任せします。とりあえず、そうですね…他に何かありますか。」

そう言って、校長は腕時計を確認する。

「どうやら何もないようですね。」

部屋の中を見渡してそう言う。

「では、ちょうど五時間目の授業が終わるようなので、担任の先生方はクラスに戻って、先ほど説明した内容を生徒に説明してください。そして隕石の衝突までは学校が休校となることを説明していただいて、今日の放課後はとりあえず部活動の活動場所に行って各顧問の先生と、今後の部活動については相談することを伝えてください。あと、保護者宛てのプリントは今から作成しますので、六時間目の間は各クラスで待機ということでお願いします。では会議はここまでとします。」

そう言った時、ちょうど五時間目の授業の終了を知らせるチャイムが鳴った。

誰しも一度は考えたことがあるだろう。

もし明日、人類が滅ぶなら、

もし明日、近しい誰かが死ぬなら、

もし明日、自分が死ぬなら、

残された一日をどうやって過ごすだろうか。

家族と、あるいは恋人と、もしくは世話になった友人たちと過ごす。あるいは一人で自分の好きだったことや、今までやりたかったことなどをして過ごすかも知れない。

誰しもが一度は考えたことがあるだろう。しかしそれは多くの人にとっては現実的ではなく、半分空想の、ただの話題の一つでしかない。実際、死はある人にとっては突然やってくるものであるかも知れないし、またある人にとっては予期されたものであるかもしれない。しかし、どちらも明日、明後日、一か月後、いやもしかしたら、それは一年後であるかも知れない。結局自分に残された時間は正確に知ることができない。だからこそ、こういった話題はただの空想で、笑い話になるのかも知れない。

そう、笑い話であるはずなのだ。

しかし、目の前にいる担任の顔は真剣そのものだった。