GDP速報 “高成長”の足元で増す不透明感(2月15日付・読売社説)国内景気は、底堅く推移しているようだ。だが、世界経済の減速が懸念される中で、先行きは決して楽観できない。 昨年10~12月期の国内総生産(GDP)実質成長率は、年率換算で前期比3・7%と、2四半期連続でプラス成長を確保した。伸び率は事前予想を大幅に上回り、株式市場でも好感されて、株価は大きく上昇した。 アジアや中東向け輸出の好調さを背景に、企業の設備投資が増加したのが、高い成長の主因だ。改正建築基準法施行に伴う住宅投資の落ち込みなどの影響を打ち消した。少なくとも昨年いっぱいは、企業部門主導の景気拡大の基調が続いていたことが裏付けられた。 しかし、こうした輸出の好調と、それに支えられた活発な企業活動がいつまで続くか、不透明さが増している。 米国では、「サブプライムローン」問題の実体経済への波及が進み、景気後退に陥る懸念が増している。そうなればアジアなど新興国の経済も悪影響を免れない。日本からの輸出も鈍るだろう。 原材料費の高騰や最近の円高傾向も、企業業績に影を落とし始めた。東証1部上場企業の今年3月期決算は、5年連続で過去最高の経常利益を計上する見通しだが、最近は、利益予想を下方修正する企業が増えている。 輸出や業績の先行きについて企業の見方が慎重になれば、設備投資も減速が避けられない。 一方で、設備投資とともに内需の両輪である個人消費は、賃金の伸び悩みを背景に、依然としてさえない動きが続いている。灯油などの石油関連製品や食品を中心にした物価の上昇が、今後、一段と消費を冷え込ませる心配もある。 GDP成長率が予想より高かったとは言っても、景気下ぶれの危険性が小さくなったわけではない。むしろ、景気回復を持続できるかどうかについて、警戒を強めるべき時だ。 サブプライムローン問題に起因した金融市場の動揺も収まっていない。株価の大幅下落が続けば、景気腰折れの危険も増す。市場の安定が重要だ。 参院で野党が過半数を占める中、審議は難航しているが、来年度予算案と税制改正関連法案は、確実に年度内に成立させる必要がある。 ガソリンにかかる暫定税率の扱いなどが障害となって成立が遅れ、国民生活に混乱が生じるようなことがあれば、政治の混迷を理由に、市場の不安感がさらに強まりかねない。 景気回復の維持には、不安の芽を一つ一つ取り除いていかねばならない。
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