またまたお久しぶりになってしまい、新年のご挨拶のブログも書かないうちにもう1月も終わりますね。今年もほぼお休みしながらのゲリラ投稿となりそうですが、どうぞよろしくお願いします。
このところ、フジテレビの問題が毎日のように報道されています。そんなニュースを見ていたら、ある方が出ていました。
遠藤龍之介さん。現在の肩書きは民放連会長、フジテレビ副会長のようですね。
けれど私からすれば、彼は、尊敬する作家 遠藤周作先生の息子さんということが大きいです。
中学生の頃、遠藤周作先生の軽いエッセイから入り小説を次々読みました。心理学へと私の興味を誘ってくださったのも先生のエッセイです。河合隼雄さんと親交があった先生はたびたび心理学の面白さも書かれていたんです。
先生の作品に、砂浜の道とアスファルトの道、ということが書かれているものがあります。足をとられ歩きにくい砂浜の道と歩きやすいアスファルトの道。振り返って見ると、砂浜の道には足跡が残っているけれどアスファルトの道には何もない。砂浜を苦労して歩くことこそ人生の醍醐味、というようなことかと思います。
けれどもそんな先生に育てられた息子さんは、アスファルトの道を選びました。こういう父親に育てられても歩きやすい道を行くんだな、と意外に思っていましたが、歩きやすいアスファルトの道でも獣道へと繋がっていることもあるんですね。まさかこんな形でニュースに出てこられるとは、先生もあの世で驚いているのではないでしょうか。
先生のエッセイには龍之介さんもたびたび登場します。その彼がフジテレビの社長になったというニュースも知っていました。彼が社長であった時期にも今のような問題があったのではないかと思うと、深い悲しみを感じます。
アスファルトの道をさらに快適に進むために、アスファルトの安全な道の退屈さを紛らすために、誰かを犠牲にしてしまったんでしょうか。
彼には、人の心の弱さに寄り添う父親の作品を傍らに置いて、今一度深く考えてほしいです。人間は間違いを犯すもの。そこからどうすべきか。弱い者、間違う人に先生の言葉は深く届くと思います。
彼に限らず、今回の件で間違ってしまった人たちもこの獣道にどんな足跡を残すのか、しっかり見ていきたいと思います。