前回までのお医者さんですが、①で待合室に誰もいなかった、と書きましたが、これについて後日そのママ友に聞いた話です。
その当時も医療費の高齢者自己負担が少なかったせいか、たいしたことのない高齢者が待合室で賑やかにすることがたびたびあり、そのおじいちゃん先生はその度に、待合室まで行って、
元気なら来るな、帰れ!
と怒鳴っていたそうです。それでそんな高齢者が来なくなり、気分を悪くしたその人たちからの評判を聞いた人たちも来なくなり…というようなことだったようです。
ただ、本当に具合の悪い人には、その病院までの通院にも気を配り、家族の負担も考えて、往診、在宅医療にしていたようです。
弟さんが後を継ぐ時にも、まだまだお元気でおじいちゃん先生は往診を続けていました。そんな患者さんたちには慕われ、弟さんに代わっても辞めないで、と言われていたようです。
そのママ友は、
患者さんより父の方が年上、ってことの方が多くなったみたい
と、笑っていましたが。
今はもうすぐ90歳で、引退したとのことですが、立派なお医者さんだったと思います。
待合室に誰もいなかった、ということだけ書いていては申し訳ないので、おじいちゃん先生の名誉のために、余談ですがこのことも書いておこうと思いました。
人に嫌われる、とか、人にどう思われるか、ということばかり気になってしまいがちですが、自分の中に核になるものがちゃんとあって、それに自信があれば、人に何と思われようと自分を貫くことができるのだろうな、と、このおじいちゃん先生には学ぶことが多いです。