父が無事に見つかったようなので迎えに行きます。ご心配お かけしました。
9年前の8月9日(長崎原爆の日)の朝、NHKで見た「しげちゃんに会いたい」というドキュメンタリー番組がとても心に残っている。ドキュメンタリーの主人公であるみっちゃんは6歳の少年の時、母親の職場である長崎大付属病院の屋上で、入院患者の息子のしげちゃん(6歳)と空襲時の破片を拾って遊んでいた。「トイレに行きたいからそろそろ帰ろう」というしげちゃんに対して、みっちゃんは「もっと大きい破片を見つけたい」と言って帰ろうとしなかった。するとしげちゃんは自分の見つけた大きな破片をみっちゃんにあげて、一緒に下に降りるエレベーターに乗った。するとその瞬間、病院からわずか700m離れた上空で原子爆弾が炸裂したのであった。二人の少年はエレベーターの厚いコンクリートに守られて、奇跡的に無事だった。しかし、しげちゃんはその後、戦災孤児となって、行方がわからなくなったという。みっちゃんはその後結婚して幸せな暮らしをしていたが、あの時の命の恩人のしげちゃんにもう一度会いたい、孤児になって辛い思いをしているのではないか、としげちゃんの足跡を辿る。孤児になったしげちゃんは満足に学校に通うことが出来ず、ラーメンの配達の釣り銭ミスで店主に怒られていたり、十数年前まで久留米でしげちゃんらしき人が焼き芋の屋台を引いていた、という情報まではつかめたが、その後の行方が分からず、そのドキュメンタリーでは結局会えずじまいだった。あのドキュメンタリーを見て以来、長崎の原爆の日が来る度に、「みっちゃんはしげちゃんに再会できただろうか」と気になっていた。西日本新聞の記者が、その後のしげちゃんの足跡をたどり、しげちゃんらしき人のその後の人生が明らかになった。
シゲちゃん 長崎原爆72年(1)あの日の恩人どこに

