色彩 Vol.1
1998年、今世紀の終末に向って、モードの世界はバロックの世界へと目を向け、世紀末を飾るにふさわしい、きらびやかな色どりを見せている。
ビューティーの世界においても、女性が女性らしく生きているかの様にうつる。
その中においてここ数年、流行色といった物が希薄に感じる。
なぜ・・・?
ここ数年、流行色といった物が希薄に感じられ始めた。
色よりも質感の時代へと私達の感覚は動いているのではないだろうか?
ファンデーションの質感、リップの質感、チークの質感・・・。
ずっと以前、メイクアップが定着しだした頃、私達はクリーム状のチークを(ファンデーションに色がついた様な物)を使い、ほほに薄くのばしナチュラルなチークの色味をつけた。
今、ジェル状のチークで同様な効果なのだがグロッシーな質感を出している物がある。
口紅もONする何かが求められている・・・。
すべて質感の時代へと移行しているかの様に・・・。
質感の時代へと移行している今、その質感はモードの世界と連動し、様々な微妙な光を織りなしている。
パールともラメともつかない輝きがリップや、アイシャドウにONされていく時、あたかも私達の気持ちを表すかの様な七変化ぶりを程する。
モードの世界では、相変らず冬にもかかわらずシースルーの軽い素材と重厚感のあるベロアが上手にメークアップの質感とマッチしていく。
メークアップだけではないのだ、私達女はすべてで一つなのだから。