another side, another story.

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りゅーがくとそのあとのにっき。

Amebaでブログを始めよう!
人間の心の進化を追うドキュメンタリー、
ヒューマンを見てからというもの、
その続きを作るとしたらどうなるのかってよく妄想する。

色んなところでヒントに出会う。

ドキュメンタリーではホモサピエンスが登場してから、
貨幣経済が登場したところで終わり。


今を生きる人の心や、
未来の人の心がどうなるか、

についてまでは書いてない。

今の人の心を考える時、

前にひとつ思ったのは、
インターネットの登場があること。

貨幣に加えて、人はさらに自由になった。
つまり、さらに孤立した。/解放された。

今またひとつのヒントをもらった。

内田樹さんのエントリーでは、
資本主義の成熟について書かれていた。

貨幣経済が成熟して、
もはや交換するものがなくなって、
金で金を買うようになっている。
で、次は贈与経済だとゆう指摘。


贈与には人間的に成熟していないと難しい。
自分が満たされていないのに、人に何かを分け与えるのは難しいからね。

んーーでも、
交換するものがなくなって、
金で金を買うようになっているのは確かに、
なんだけど、
そっから贈与に転じられるものなのかなぁ。
バフェットさんとかじゃあ心の進化の最前線を行く人なのかなぁ。

それに、金で金を買う人って、まだまだ少ない。
私はおそらく今後どんどんお金を儲けて稼いで行くけど、
すぐに贈与には転じられない。確か年収3000万超えるともうそれ以上は違いが湧かなくなるんだっけ?

とにかく相当儲けて、やっと贈与してもいいかな、と転じると思う。

だから、贈与経済に至るまでは遠い気がするなぁ。


でもなんかわくわくする指摘だった!



iPhoneからの投稿
NHKサンデルさんの授業を見て。


テーマは格差について。

「格差はあるべきか」

「どの程度の格差ならいいのか」


スタジオ、東京の学生、ハーバードの学生、中国の学生と中継をつないで、
議論をする。

わかりやすいアニメーションを混ぜ込みつつ。

ある会社の社長で、こんな決断を迫られたらあなたはどうする?、を問われる。

そうやって、
視聴者一人一人に、
「格差はあるべきか」「どの程度ならいいのか」を考えさせる。




ほんとに今、一番議論されるべき議題だと思う。

もっと多くの人が巻き込まれてほしいなぁ。




一番実感したのは、

何よりも想像する事が大切だという事。

日々契約切れが近づくのをカウントしながら生きている派遣社員の気持ちとか。
何もかもうまくいかないと思い込んでほぼ社会復帰をあきらめている生活保護受給者の気持ちとか。


または、
会社を成長させたい気持ちと、社員は守らなきゃいけないという責任感で葛藤する社長の気持ちとか。
もう、もうかる気しかしなくてお金さえあればなんでもできると思う金融マンの気持ちとか。



その立場になってみて分かる事もある。

でも全部になることは無理だから、



想像するしかない。




想像って結構助けになる。

しかも、
その想像したイメージが頭に焼き付いて、
今後彼らの存在を軽薄に扱わなくなる。


ウォール街の人やメディアの人が、

格差はだめだ!
富を一握りにして何が悪い!

と一方的に主張するだけよりも、
はるかに意義のある議論ができるようになる。




後半の質問にあった、

①「コストカットして成長するために、経理部をアウトソーシングするか否か」

②「移民労働者と日本の正社員は同じ給料であるべきか」


これらの答えは、
会社や社員の状況による。



そしてこれ、
最近個人的にも遭遇率が高い議論。

ユニクロやトヨタのグローバル化を懸念する声なんかそう。

何より、企業は利益を出すことが至上命題。
成長目指して進んで行って何が悪いのか、と。


でも良いことばかりではない。
日本の雇用は失われていくし、法人税も減っていく。


でも、企業が儲かって成長していく事は、
どこかしらの国に雇用を生む事になる。

バングらとか南米とか。
ユニクロやトヨタを待つ国は多い。




繰り返しだけど、

これらの答えは、
会社や社員の状況による。


でも、それなりに考えてみる。

自分としては、

①「コストカットして成長するために、経理部をアウトソーシングするか否か」

を考えるとき、想像した。

雇用削減といった時、社員さんたちの人生だけでなく、
養われている家族もくっついて関わってくる。

アウトソーシングで他国の雇用が確保されるよりも、
日本の国の雇用が失われる事の方が危機感を感じた。

企業の成長責任もあるのは分かる。
他国の方が貧しい人が多くから、そっちの雇用を作るべきなのもわかる。



でも、ここは完全に感覚だけど、
やぱり日本人の雇用を守りたいと思った。

なんで?
日本人の悲しみの方が共有できるから。
リアルにイメージできるから。



②「移民労働者と日本の正社員は同じ給料であるべきか」

を考えるときも、想像した。


はるばる家族のために日本に出てきて、
慣れない環境と国でがんばる移民労働者。

それと、これまで受験や就活がんばって、あくせく働いてきた日本人の労働者。


あの竹中さんが、
オレンジなら、世界中どこでも同じ価格で買えるのはいいけど、
“労働力はベツモノだ”と言った。


私も、
ここも完全に感覚だけど、
やぱり日本人の雇用を守りたいと思った。


なんで?
これも、日本人の悲しみの方が共有できるから。
リアルにイメージできるから。


だから、
スタート地点は、移民労働者の方が低くてもいいのだと思う。

ただ、企業は制度を設けた事で満足しないで欲しい。

できる限り、個人個人に目をむけ、日本人・移民限らず能力を判断していく努力はしてほしい。






それにしても、

今日改めて、
「雇用」
に対する重みを再認識した。


雇用削減、雇用対策、雇用創出・・・

議論する時は言葉が独り歩きするけれど、


この雇用って言葉が持つ意味は相当に大きい。

生身の人だから。その家族も関わるから。


こう思えたのも、想像したからだな。



今後は、格差や雇用について意見する時、
関わる人の人生をできる限り、想像するようにしたいと思う。



想像するって自発的にやるのは難しい事も多い。

誰が好き好んで派遣労働者や移民労働者の苦悩を想像しようと思うか・・・


でも、こうした番組を通して、
想像する機会が得られた訳で。




なるほど、番組の役割だな、とも思いました。
KONY 2012が一大論争を巻き起こしてる。
http://www.youtube.com/watch?v=Y4MnpzG5Sqc&feature=player_embedded


いや、このビデオ本当にすごい。
シンプルで、わかりやすい。


私は、このビデオが議論になっていることを先に知った。

だから、編集や音楽がやりすぎだという意見を知ってるから、そう感じられる。

でも、何も知らずに普通に見ただけでは、
そうは思えないかも。

鮮やかに、引き込まれる。



このビデオは、
アメリカのNGO、Invisible Childrenという団体が作ったもの。

ウガンダの、反政府ゲリラの長、ジョセフ・コニ―の残虐さを訴える。

そして、これを止めるため、
アメリカの政治家に対してアプローチをかけて、介入を強めようというもの。

そして、そのために、
みんなでコニ―を有名にして、世界の議題にしようというもの。

4日間で70,000,000view、

気が付くと、歴史上もっとも100,000,000view到達が早い、
つまりバイラルしたビデオになっていた。

有名人も巧みに使い、
いろんなサイトへ、世界中へ訳されて広まった。



こんな動画作るなんていやらしい、という批判もある。


でも、
NGOはほんとに資金がないと何も出来ない。
私もインターンしてみて、本当に実感した。

だから、これは、必死に作ったんだと思う。

自分たちがやりたいことをやるために。

こんなに広がるとは思わず。


それに、演出なき映像はない。

だから言わせたような話や、操作して撮った絵はあるはず。

もちろん、
ただデータ改ざんしたり、ないことある事のようにいうのはダメだけど。





この映像を機に、
ウガンダがこんな事になってるのを知った人も多いはず。
私もその1人。

その点だけみたら、
この動画とこのNGOの成果はでかい。





この動画が、NGOが、このムーブメントが、
大きな議論を呼び、批判を受けているのは、


NGOが、そしてこのビデオを見た多くの人が、
以下の事をちゃんと考えていないように見えるから。


①「コニー」だけが悪じゃない

②「アメリカが介入」だけが解決策じゃない

③「ウガンダ」だけが救うべき対象じゃない





①「コニ―」だけが悪じゃない

反政府軍の彼だけが、虐殺やレイプを強要しているわけではない。
政府軍だって、同じことをしている。

実際、一般市民は政府軍も反政府軍もコニ―も誰も信用していなくて、
とにかくこの戦争が終わって欲しいと思っている。

でも、この動画のせいで、
政府側の人間は正当性が認められたも同然となる。



②「アメリカが介入」だけが解決策じゃない

アメリカが介入するとなんでも、解決するのか?

ボズニアへの介入は、いまだに、アメリカ人が国を支配することを許している。

そもそも、アメリカに、主権国家に介入する、そんな権利があっていいの?



③「ウガンダ」だけが救うべき対象じゃない

コニ―がICCのトップリストに来たということだけど、
問題があるのは、彼だけではない。

ICCのリストにある、裁かれるべき戦争犯罪者たちは、
たくさんいる。







Invisible Childrenは、
本当は①~③の事は分かったうえで、活動しているのかもしれない。


でも、世間に対しては、
自分たちの活動が共感してもらえるように、
分かりやすく対象を絞り、分かりやすい解決策を提示した。


小規模の活動ならまだしも、
ここまで大きく影響力を持つようになってしまった。

そして、
アメリカ市民に、国際社会に、
コニ―だけを悪と決めつけ、アメリカの介入こそが解決策だと訴え、ウガンダだけが救われるべき国のように、広めてしまった。


そして多くの視聴者は、
思考停止になっている。

動画自体がもつ演出に感動し、
さらにSNS上で人と共感し、共有することのわくわくに酔いしれて。


紛争や貧困を扱うキャンペーンに触れる時は、
その構造の複雑さを、解決のむずかしさを、視聴者は覚悟しておくべきなんだろうな。




KONY 2012がこれだけ騒がれたのはいい機会かもしれない。

今後、紛争や貧困を扱うキャンペーンビデオが生まれた時、
簡単に鵜呑みにする人が、少し、減りそうな気もする。






にしても、初めにも言ったけど、
ここまで人の意識が劇的に変わった事実は素晴らしい。

SNSのプラスのパワー。

これを機に、
ウガンダの実態を真剣に把握する動きが生まれ、
アメリカの介入も含めていろんな解決策が議論されていくなら、

本当に、すごく意味のあるビデオだ。








うーむ。



↓ここにある記事と動画いっぱい見ました。
http://www.aljazeera.com/indepth/spotlight/konydebate/