陣痛がきている間は赤ちゃんの頭が見えてて

痛みがおさまると引っ込むらしい


「髪の毛が今見えてます

 赤ちゃんも頑張ってますよ」


助産師さんが常に実況中継してくれる

これがすごく励みになる

息子の時の助産師さんはベテランの厳しい方で

私が「痛いです!」と言っても

「痛くなくっちゃ生まれない」とピシャリと制されてました。。。



「次の陣痛来たら いきんでみましょうか」


医師から GOサインが出る


助産師さんのリードに合わせてゆっくり長くいきむ


「すごく上手です!」


いきみには自信があった

肺活量に自信があったから

マタニティスイミングで

いきみの練習になるという 水中座禅のトレーニングがあり

息を止めて1分間以上水中でじっとしていられたのは

私と もうひとりだけだった

その彼女も先週 スポンと安産で出産を終えている

息子の時も 「超上手」と医師から太鼓判をもらったし

ダイビングやってた時も 呼吸に関してはよく褒められた

若い頃より そりゃあ体力は落ちてるだろうが

昔とったナントカ

マイベイビー! ここはママにまかしときな!!

目は閉じないで おへそのあたりを見て 背中を丸めて

んーーーーーーーーーーーーーー


「すごく上手!すごく上手!」

「いきむ方向ばっちりです!」

「いいですよ~!落ち着いて!」


医師も助産師さんたちも皆驚いたような笑顔で

同じ言葉を繰り返しかけてくれる

やっぱり私上手なんだ

もう一生使わないかもしれない特技だと思うとちょっともったいない


会陰切開はいつするんだろう?

確か息子の時にはこのあたりのタイミングで医師が

「お手伝いしますね」と言って切っていたけど・・・


なんて頭の片隅で考えていた時


「頭が出ましたよ!」


待ちに待っていた言葉が助産師さんから伝えられる

切開無しで出せたんだ、と ほっとする

頭が出ればあとはもういきまないでよくて

するんと全身が出てきてくれるんだったよね確か


そう思ってふと一瞬気が抜けるが

どうやら身体がつかえているらしい

そういえば 息子の時もそうだった


「少しだけ力入れてみましょうか、少しだけ、はい、そうです」

「もう一回、はい、少しだけー・・・」


少しだけって難しい

片方ずつ肩を出しているのだろう、そんな感覚がなんとなくあった

下腹部を2、3発内側から蹴られる感覚もあり

こんなに最後の最後まで胎動?と

妊娠中 常にボコボコ蹴られていたおなかを懐かしく思った

本当に元気な子だったよね

痛くても その元気さにどれだけ不安な妊娠生活を勇気づけてもらったか

外に出たら 思う存分動きなさい 今度は見ていてあげるから

なんて 母親らしいことを考えた次の瞬間


「はーい!!」


助産師さんたちの歓声とともに

ヒザの間から高く抱え上げられた赤ちゃんが現れた


桜の花びらのような淡いピンク色の 玉のような赤ちゃん!

全然しわがなく プリップリのツヤッツヤ

そして とっても大きい

元気いっぱいの産声が分娩室に響き渡る

旦那様が私の頭を撫でてくれた


「元気だぁ」

「元気だねぇ」


一向にやまない大音量の産声に

安堵したのか感動したのか 涙が出てきた



へその緒を切り 体重測定

表示された数字をたまたま見れる位置にいた旦那様が

一番に歓声をあげる


「3880グラムです!」


測定してくれた看護士さん(助産師さん?)の声に

一同 また歓声


大きいなぁ

予定日より長くおなかにいたとは言え

こんなに大きく生まれるとは

3432gで生まれた息子よりさらに大きい

2000台で産む予定だったなんて もう誰にも言えない


私はお産服の前をあけられ

「おめでとうございます」と 直接胸に赤ちゃんを乗せられた

事前に説明されていた カンガルーケア

生まれてすぐに肌を触れ合わせ おっぱいを飲ませることで

母子の結び付きが強くなり 赤ちゃんの免疫力が上がるらしい


赤ちゃんはうつぶせに私の胸に乗り

必死で首を持ち上げながら おっぱいを探し当てて口に含んだ


あったかくて柔らかくていい匂いで とてもとても可愛くて

初めて会ったのに どうしようもなくいとおしい


「会いたかったよ」


何も考えてなかったけど

息子を産んだ時と同じ言葉が出た


ふと天井を見て

少しだけ 天国のちびちゃんのことを思い出した


この妊娠がわかった時

ちびちゃんが帰ってきてくれたのか

違う子なのか わからなかった


でもなんとなく 無事生まれて顔を見たらわかる気がしてた



違う子だね



ちびちゃんは 天国にいる



ありがとう

連れてきてくれて 守っててくれて




夢中でおっぱいに吸いつく生まれたての赤ちゃんを抱きながら

医師のもと 研修医の若い男性による会陰縫合

会陰切開はしなかったけど

予想より赤ちゃんが大きかったせいか 裂けてしまったらしい

「これくらい裂けちゃってるので 縫っておきますね」

笑顔で医師が 指で3cmくらいのジェスチャーを示したが

後日談

退院検診の時に言われた衝撃の事実

裂けたのは3cmなんてもんじゃなくて

会陰から肛門まで一直線につながる裂傷だったそうです

先に言われていたら トイレ行けなかったかも



2月9日 午後1時15分

51.7cm 3880g 女の子


分娩所要時間(陣痛が10分間隔になってから胎児・胎盤が出るまで)

3時間19分

(息子の時は23時間57分)


我が家に家族が増えました



1時過ぎに病院に着いていた母が分娩室に入ってくる

立会いは夫のみだが 出産後の処置が終われば家族は入れるシステム

涙ぐんでいる


今までの経緯を全て知っている母

「はじめまして ばぁばです」

赤ちゃんに語りかけるその姿に胸が熱くなった



旦那様と時計を見て 同じことを考える

2時に幼稚園が終わる息子を 旦那様が迎えに行った

今日はバス帰りの予定でしたが 変更

早く家族全員で会いたい!


幼稚園でも 吉報を喜んでいただけたそうで

主任の先生が園内放送で

「○○○○くん お迎えに変更です お兄ちゃんになりました!!」

と 言ってくれたらしい


3時前には 息子も到着

着くなり まるで当然のように

「かわい~ あかちゃ~ん(はぁと)」

と言って 赤ちゃんにKISS!

もちろんクチビルとクチビル しかも長い 5秒はしてた?

唖然呆然とする私と旦那様

予想外の行動に 完全に固まってしまいました

ファーストキスは パパじゃなくてお兄ちゃんに奪われちゃったね


医師から

「よかったです、人によっては下から産めない大きさでした」

というお褒めの(?)言葉をいただく


医師が退室したあと 助産師さんが教えてくれた

「あの先生で大当たりでしたよ

 他の先生だと あんなにカンガルーケア長くやらせてもらえないです

 会陰の処置中とかは 危ないからってすぐ赤ちゃん移動させちゃうし」

確かに、あの先生は

「子宮の収縮具合見たいんだけど~・・・おっぱい吸ってるわねぇ

 吸ってるから収縮いいわよね 頑張って(←赤ちゃんに)」

なんて言って待ってくれたりしてた


全員の医師に一度は診てもらったつもりだったが

初対面だったことに関して聞くと

二人目のお子さんを出産されて 最近産休明けて復帰したばかりとのこと

だから同じ立場のお母さんたちの気持ちをすごく理解してくれるんだそう


助産師さんにも 医師にも 恵まれました


分娩後2時間経ち 経過良好ということで車椅子で部屋へ移動

赤ちゃんも一緒

6時前には 義両親も到着し

かわるがわる赤ちゃんを抱っこして 写真撮って

誰に似てるだの 指が長いだの 頭の形がいいだの

お約束のような会話を楽しみました


21世紀の今では超がつくほどビッグベイビーであることには

私を3700gで産んだ母も 旦那様を3600gで産んだ義母も

「しっかりしてていいわよ~^^」 と

全く気にされていませんでした


ここらへん 記憶がかなり曖昧です

みんな満面の笑顔だったことだけはよく覚えています



長い文章にお付き合いいただきありがとうございました

次回は ドキュメンタリー「ザ・母子同室」をお送り致します