*父がこの世を去って丸7年
美食家だった父を偲んでの「贅沢会」
この日を忘れない為に書き残します。
少々マニアック記事なので悪しからず。
独身時代からこつこつと地道に買い集めてる
ワインセラーのmyコレクション。
さすがに50万100万のワインは
入ってはないけれど
ワイン好きの人なら
そこそこテンションを
上げてもらえるのではないだろうか。
**
わが夫婦の普段飲みワインといえば…
夫がデパ地下で1本2000〜3000円の
「店員さんオススメ」を買ってくることが多いのだけど
わが家に「真のワイン好き」が集まった時は
私は惜しまず、myコレクションを解禁する。
なぜなら…
とっておきのワインは
「ワイン好き」であーだこーだと語り合いながら
飲むのが最高だからだ。
香りはどうだとか、酸味はどうだとか、
このヴィンテージはどうだとか、この生産者はどうだとか、
と、実にマニアックな会話が飛び交うのだが。
普段ならウンザリする「そんなウンチク」も
この時ばかりは心地良い。
そして、「う〜ん」「あー」「はー」と
それぞれ自由に余韻を楽しみながら…
価値あるワインの価値がさらに上がっていく。
ワインを飲まない人たちにとっては
その光景はいささか滑稽で、かなり迷惑なんだろうけど。
そんな風に味わうことが
ワインへの最高の敬意の払い方だと思うのだ。
(あくまでも私論ね^^)
*
今回の亡き父を偲ぶ
「贅沢会」は身内の小さな集まりなので
ワイン好きが勢ぞろいって訳ではないのだけど。
ワインにどっぷりハマっている弟がいるので
myコレクションを解放。
通常、お客様を招く時は、
料理やテーマに合わせて
私がワインをセレクトすることが多いけれど
今回は「どれでも好きなの選んでいいで♪」
と、弟に任せた。
「そんなん遠慮するわー(^_^;)」
と、言いながら…
ちゃっかりなモノを選ぶところが
my弟である。
ちなみに、この日の料理は…
素材重視の鉄板焼き。
(=切るだけ、盛るだけ、焼くだけの楽チンメニュー)
伊勢志摩産 活け黒鮑
極上・国産黒毛和牛
前菜
鯛の刺身サラダ
イタリア産生ハム
チーズ&ナッツ盛り合わせ
伊勢志摩産
活黒鮑のレモンバター肝醤油添え
発酵バターで焼く
烏賊ソテーと焼き野菜
国産黒毛和牛
特選イチボ
特上ヒレステーキ
特製ガーリックライス
フルーツ
紅秀峰さくらんぼ
シャインマスカット
平成三十年六月三十日
シゲちゃんを偲ぶ超贅沢会
そして、父が愛用してたギター。
いつの間にかここに!???(夫の粋な計らい??)
***
前菜つまみながら。。。
まずは、ビールで乾杯。
乾いた喉を潤して…
その後…
鮑に合わせ白ワインを…
やっぱりここはシャルドネじゃない?
と、ブルゴーニュを。
もう間違い無いでしょう
のマリアージュ♡
’06 PULIGNY MONTRACET Dom. Jean Michel Gaunoux
鮑のソテーを一切れ、二切れ食べた後に
「この肝ソース、赤も合うと思わへん?」と私の提案で
続けてブルゴーニュの赤を…
「姉ちゃん!グランクリュ(特級畑)開けてもいい?」
と、嬉しいそうに弟が選んできたのが
’10 Chambertin-Clos de Bèze GRAND CRU Frederic Magnien
肝にしっかり火を通してきちんと臭みを取ったので
「うっ旨っ!」男性陣が思わず口にするほど
もう、ウットリするほどワインとの相性抜群だった。
そして、野菜、海鮮と続き…
メインの極上肉に合わせて選んだのが。
出た!
泣く子も黙る五大シャトーのひとつ
「失楽園」で主人公ふたりが最期のワインに選んだアレね。
力強さと優美さを兼ね備えた
五大シャトーの中で
最も高貴で最もエレガンスを極めた至高のワイン。
「ワインの女王」と言う名に相応しい
すっばらしい1本だ。
’04 Chateau Margaux
2017年、フランス・ボルドー シャトーマルゴーにて。
本場ボルドーでも、日本との価格差はそれほどなく
2007年のもので、550ユーロ(約7万円)だった。
ちなみに、当たり年と言われる2005年はその倍以上の価格がつき
ポムロールの最高峰シャトーペトリュスなんかは、3900ユーロ(約50万円)…
(1本=750mlでやで^_^;)
ほんと、とんでもなく恐ろしい世界である^^;
*
セレブならいざ知らず
五大シャトーなんぞ、一生で何回味わえるか?
って、感じなので
さすがに弟もコルクを抜くのに
かなり慎重な様子…
で、さっそく、テイスティング。
14年の熟成を経て
そろそろ飲み頃に入ったかな?
と思ったけど。
保管状態もよく
あと10年くらい寝かしても良かったかな?
(もっと美味しくなったんじゃないかな?)
という、個人的印象。
とはいえ、「さすが女王!!!」
と認めざるを得ないポテンシャルの高さ。
ちなみに夫は
「これ美味しいですねぇ!」
と、案の定、3000円のワインを飲む時と同じ反応で。笑
弟は「すごいわ。これすごいわ」
と、五大シャトーの魅力に
それ以上の言葉を失い。。。。笑
そして私は、バタバタしてたら
結局、最初の一口しか飲めずでさ^^;
そんなこんなで
この日、3人(ワインを飲む人間)
で開けたワインの総額…
それは言えん。笑
(ワインなんてお値段考えたら
勿体なくて飲めなくなるからね^^;
考えないのが一番だと思う)
そんな贅沢会に相応しい
最高のワインでございました。
正直、毎日は要らないけど
たまには、こんな贅沢もいいもんだ。
あの世で、父も喜んでるんやないかな^^
以上、終わり。