父は冷静さを失わない | 失語症になっちゃったダンナと私の日々 

失語症になっちゃったダンナと私の日々 

2022年12月末、定年退職後、大学院で勉強していたダンナが脳梗塞で倒れ、失語症になりました。
今はリハビリに通い、緩やかな生活を送っています。そんなダンナと私との日々の暮らしを綴っていけたらと思っています。

 

 

 今朝、父に電話したら声が全くでない状況。

 

 かなりしんどいのだろう。

 

「胃瘻作ったら、栄養が沢山入れてもらって、

 

 元気になるからね、しんどいから切るね」って言ったら、

 

 父はすぐに電話を切ったが、

 

 後から全く父に寄り添っていない事に気が付いた。

 

 

 ゴメンね。

 

 

 しんどいよね・・・。

 

 

 しんどいのに頑張れみたいなこと言って。

 

 

 30分後、父に電話した。

 

 父は電話を取るのもしんどい状態だが、

 

 謝りたい気持ちもあり電話した。

 

 

「熱が出てしんどいやろ。明日の手術、断わろうか?」

 

 

 父ははっきり言った。

 

 

「勝手に決めたらあかん」

 

 

 そうやね。

 

 

 

 その通りやね。

 

 

 

 私は短絡的過ぎた。

 

 

 いつでもそうだ。

 

 

 主治医が判断するんだ。

 

 

 父は冷静さを保っていた。

 

 

 「しんどいやろ」

 

 

 「いや、しんどくない」

 

 

 えっ、しんどいはずなのに。

 

 

 嘘つかなくていいよ。

 

 

 そこまでして急いで胃瘻作らなくていい。

 

 

 もうどんどん弱っていく父を見るのは正直つらい。

 

 

 けど、父は胃瘻を造って生きる道を選んだ。

 

 

 母の為に。

 

 

 だから私も一緒にその気持ちを汲んであげないといけないのに、

 

 

 しんどい思いをこれ以上してもらいたくないという思いと、

 

 

 生きて欲しい気持ちがぶつかり合っている。

 

 

 

 

 明日、採血をしてから父の胃瘻造設をするかしないか決まる。

 

 

 

 

 胃瘻を造って栄養がしっかり吸収されて落ち着いて、

 

 リハビリが出来るようになってくれたら良いなと思う。