本屋にて | 失語症になっちゃったダンナと私の日々 

失語症になっちゃったダンナと私の日々 

2022年12月末、定年退職後、大学院で勉強していたダンナが脳梗塞で倒れ、失語症になりました。
今はリハビリに通い、緩やかな生活を送っています。そんなダンナと私との日々の暮らしを綴っていけたらと思っています。

 

 

 

 先日、ジュンク堂で本本を探していたら、

 

 いつの間にか学習コーナーに来ていた。

 

 最近は馴染みのない学習コーナーだけど、

 

 ダンナが入院中病院、ここの本棚の前に立って、

 

 ドリルを探していたなぁ。

 

 

 

 入院後初の面談の後、ST(言語聴覚士)から、

 

 小学1年生の漢字ドリルメモを買ってきてくださいと言われた。

 

 しまじろうとか漫画のキャラクターとか、

 

 いろんなドリルがあったなぁ。

 

 

 大学院で勉強していたダンナが小学1年生のドリル・・・。

 

 切なかったのも懐かしい思い出ニコニコ

 

 

 

 失語症の知識がなかった私は、

 

 色んな本を買い込み、失語症について勉強して、

 

 ダンナはもう、字が読めないと思い込んでいた。

 

 なのでダンナの好きなフクロウの写真集や、

 

 絵画が好きなダンナに美術の雑誌を選び、

 

 絵や写真の多い本ばかり差し入れていた。

 

 

 誕生日には鷹の写真集をプレゼントしたが、

 

 次の荷物の引き渡しの時に返してきたので、

 

 もうこんなのも興味がなくなったのかとがっかりした。

 

 

 退院後に聞くと、ベット周りに置くスペースがなかったからと言われた。

 

 

 

 

 

 

  「写真集は?」真顔と退院後に聞かれ、

 

 

 

 

 

 「もうブックオフに売ったよ」ニヤニヤ

 

 

 

 

  と言うと、ダンナは苦笑していた。

 

 

 

 

 

 

 漢字ドリルは初めのうちは、やってくれていたが、

 

 しばらくしたら、何も手つかずで返して来た。

 

 ダンナに電話で「ドリルやってないけど」と言うと、

 

 もう必要ないというようなことを言った。

 

 もうやる気もなくなったかと担当ナースにその旨を伝えたら、

 

 次の荷物の引き渡しの時に担当ナースから、

 

 ノートにびっしり書いていた事を知らされた。

 

 

 

 ちゃんとやってくれていたんだ・・・。

 

 

 

 言葉が伝わらない事は、何かと誤解を招くこともある。

 

 

 

 

 退院後一ヶ月経った頃、脳梗塞再発の疑いで救急外来を受診した際、

 

 リハビリ病棟の看護師長がたまたま通りがかった。

 

 事の経緯をお話した後、

 

(入院中は)「本ばかり読んでいましたね」と言われた。

 

 

 

 退院一週間を切った時も、電話で差し入れの本を頼まれていた。

 

 買う時間がなく他の物だけ差し入れて、

 

 予約していた歯医者へと急いでいたら、

 

 ダンナから電話が掛かって来た。

 

 

 嫌な予感・・・。

 

 

 差し入れの物を確認したダンナが、

 

 本が入ってないことに気付いたのだ。

 

 

「もうすぐ退院なんだから、

 

 本いらんやん」と言ったが、

 

 

「えーっ」ニヒヒと言う。

 

 

 

 仕方なくダッシュで病院近くの本屋に行き、

 

 高く積み上げられていた村上春樹の新作の分厚い本を手に取り、

 

 再び病院に戻りクラークさんに渡した。

 

 おかげで歯医者に間に合わずにキャンセルになったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 クリアファイルに入っているダンナの失語症のプリント。

 

 

 

 

 

 

 文がどんどん伸びてきている。

 

 

 

 

 

 

 暖かくなったのでストーブをつける(プリント一例)

 

 

 

 

 

 

 

 

 確実に進歩しているおねがい

 

 

 

 

 

 

 (音譜注 少し前に書置きしていた文章です)