おととしの8月あたまに、このままワインを飲み続けていたら余命2ヶ月、と申し渡されました。それから毎日、何時に起きて、何を食べ、出かけたり、家にいたり、お風呂に入ったりと、日々の些細なことを日記にしていました。1日でも長くと思い、それでも本人の希望を最大限に叶えてあげたいと思い、素晴らしい医師団の方々と相談してきました。本人は見栄っ張りで、いつも「元気だ」とか「ちょっと足が痛いから」「ちょっと歳だから」という風に言っておりましたが、実はかなりきつかったのです。家ではずいぶん前から介護が始まりました。2年も生き延びることができて、本当にこの人は優れた生命力に溢れていたと思います。ボルドーも最後まで味わおうとしていました。亡くなる1日前は一晩中起きて「体を起こして起こして」と既に力の入らない腕や足を踏ん張っていました。そして翌朝は悟ったような表情で、いつもは嫌がる着替えを素直に受け入れてくれました。今本当に幸せな顔をしています。看取ることができて良かった。悔いなく終わることができました。私は悲しいと共に一緒の人生を歩めてありがとうの思いでいっぱいです。