
型染めで紡ぐ悠久の都ー奈良・ハノイ という副題で、展覧会が行われます(10月5日~11月10日)。 場所は薬師寺・・・あの薬師寺です。
10月16日には日越(ベトナム)文化交流フォーラムが開催され、そのレセプションディナーをシェ・イノが担当いたします。
素晴らしいことでしょ。
鳥羽さんはベトナムの風景をモチーフにして日本古来の染色技法を使い、作品を作っていらっしゃいます。 たとえばマンダリンオリエンタルH(をっ、うちの日本橋店まん前)の三井ビル、正面を上がったところに展示されています。
何しろ、すごく大変なのです。 白山という土地でもう二軒しか残っていない織布家の生地(しかも横糸は全国から集められた双子の蚕のもののみを使用)を使い、型職人も二人ぐらいしかいないんですって。 ドイツ製の染め具で染めるのですが、江戸時代の古文書を5枚重ねて裏打ちに。 屏風職人も数人しかいらっしゃらなくて、
とにかくそういう貴重な人のネットワークで出来上がった作品を、
国宝の仏像とコラボレーションさせるというのですから、この薬師寺の山田法胤おしょうさまは大した度量のお方です。 こうして時と空を越えた文化の交流が、次世代への遺産となっていくのですね。
このプロジェクトにかかわるすべての方々が、おかねの価値ではなく、文化の価値を重く考えておられ、たとえ自分が死んでしまっても、作品が残っていくという希望を抱いているのです。 だから心が豊かなのです。