ミニエー銃
1846年にフランスの歩兵大尉ミニエーが考案した
新型弾頭を撃ち出すために開発された銃です。
さて、ミニエーは弾が大事。
椎実形鉛弾(以後『ドングリ弾』)の底を
えぐって木栓で埋めます。
この鉛が薄い部分(羽)が発射される際のガス圧で木栓が
押されて膨らみ施条に食い込んで飛んでいく仕組みです。
そして、銃。
ミニエー銃は、その弾丸の命中精度から
ゲベール銃にはなかった照尺がつけられました。
どのくらい当たるのかというと
ミニエーとゲベールでの命中比較で
300歩(180mくらいかな)で100発発射した場合
ゲベールが8発
ミニエーが44発
800歩(約480m)でもミニエーは27発
命中したそうです。
種類は長短の二種類。
三ツバンド・二ツバントと呼ばれました。
これは、当時の集団射撃を行う際に後列の者は
長い銃の方が扱いが良かったためです。
後に戦闘形式が変化したため、長い三ツバンドは
使われなくなっていきます。
また、前装銃末期から雷管式が一般化したため
全てが雷管外火式となっています。
雷管外火式とは
蓋状のものに詰めた火薬を撃発用ハンマーで叩き
火花を起こして引火させる仕組みです。
イメージでは、オモチャの鉄砲に詰める火薬ですね。
相変わらず雨には弱いものの、火縄や燧石式とくべて
格段に使いやすくなりました。
上記で記したように、各国で製造されたため
総称としてミニエー銃と言います。
総称:元込式雷管施条銃
諸元
オランダ製
全長:1410mm
口径:16.6mm
施条:四条
撃発機構:雷管外火式
銃槍50cm
紙製弾薬包を使用
アメリカ製
製造:レミントン
全長:1410mm(三ツバンド)
1195mm(二ツバンド)
施条:三条
撃発機構:雷管外火式
※銃槍50cm
イギリス製
1853年に採用したミニエー銃の改良版。
火門蓋の用心鉄の鋲から鎖で結ばれている点と使用弾丸が木栓を使わずともガス圧で羽が自然と広がるブリチェット弾に替えられた。
日本ではミニエー銃と混同され
後の1863年頃から
エンフィールド銃・エンピール銃・鳥羽ミニエー(Tower minie)
と区別された。
前装銃として開発された最後の傑作銃だが、
多くがスナイドルやアルビニー銃に改造されるか
練習用銃として使用された。
全長:1250mm
940mm(騎兵銃)
口径:14.66mm
施条:5条
撃発機構:雷管外火式
銃剣:57.5cm(ヤタガン式)