「自分のことそんなに好きじゃない」”素顔の羽生結弦″が語る、どんな質問にも答えます(3)
tbc東北放送
プロスケーター転向を表明した羽生結弦さんが、地元仙台、東北放送の情報番組に生出演。番組では、後輩スケーターや視聴者などからの質問に、笑顔で答えてくれました。
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■教えて羽生さん!
羽生さんのホームリンク、仙台市泉区にあるアイスリンク仙台。トップスケーターを目指す後輩からの質問です。
東北高校1年 本田大翔選手:
「ジャンプというよりも、僕は表現力が苦手なので、演技に感情込めてというのは、どういうふうにやったら良いのですか?」
羽生結弦さん:
「僕は表現しきれないということが基本的に今までないので、感情を込めない方がむしろ難しくてわからないのですけど。どちらかというと、感情が先走ってスケートをやっている方が多いんです。曲がかかったら『わー』ってなる。何でだろうと逆に」
司会:「スケーターによって技術的なものが得意な人と、アーティスティックなものが得意な人がいて、技術的な人にとっては(感情表現は)難しい。羽生さんは完成しているからそこを教えるのは難しい?」
羽生結弦さん:
「でも、少しづつ例えば自分の感情が、このプログラムに対して、この曲に対してどういう感情、何だろうというのを書いてみたりとか、言葉にしてみたりするだけでも違うのではと思う。
あとは実際に、僕はやらないけれども、鏡を見て、この手の振り付けが本当に伝わっているのか、どうゆう感情が込められていますか、拳をグーにしたときに『強いものがあるのか』『怒り』なのか、それとも優しく包みたいのだったら、(手の表現が)どうなっていくのかちゃんと見えているのか(確かめる)。感情(の動きに)にちょっとでも意味をつけることができたら、それだけで感情表現になると思います」
羽生さん母校、七北田中学校の三浦選手からは、こんな質問が。
七北田中1年 三浦那奈選手:
「ジャンプで足を閉めると怖いってなってしまう。ジャンプで怖さを克服するにはどうしたら良いですか?」
羽生結弦さん:
「僕は今でも練習するのですが、階段で1段でもいいので、ちゃんと足を閉めて片足でおりてくるということをひたすら練習していました。氷上で、ジャンプやります、足を閉めます、おりますという行動を何回やってもできない子はできない。(できない子は)自分でその感覚を知らないんですよ。まずは、感覚を少しづつ、陸上でもいいからやっていく、そうすると自然といつかは体が覚えてくれるし脳みそも覚えてくれるので、いずれできるようになります」
司会:「羽生さんは、怖いという感情自体にはどう向き合ってきたのですか?」
羽生結弦さん:
「僕は怖いなって思うのは、正直4回転半ぐらいしかないんですよ。4回転半は、さすがに前に飛んでいくのでスピードがあると、たまに踵から落っこちてきて後ろにゴーンと(頭から)いくと脳震とうをおこす可能性があるので、身体的にも危ないものにはなっていて、でも2回転とかは怖くなかった。ちっちゃいころからやっていたからなんでしょうかね。でも、怖いっていう感情は、“挑んでる”っていう証でもあると思うので、それはそれで自信を持っていいと思う」
視聴者からは「スケートをしていなかったら、どんな仕事をしていましたか?」との質問。
羽生さんの答えは?
■羽生さんの内面に迫った!
羽生結弦さん:
「仕事というか、やっぱり野球やりたかったんですよね、僕。小さいころすごく野球が好きで今でもお忍びであればバッティングセンター本当に行きたいなーって思って。でも地元のバッティングセンター行くと後輩とか先輩とかに会うのが嫌なので(笑)行けないなーって葛藤しています」
また、「弾きたい楽器は何ですか?ピアノが似合いそうですがエレキギターをかき鳴らしている羽生さんも見てみたいですが」という質問には・・・。
羽生結弦さん:
「なるほど。僕基本的にリズム人間なので、ドラム叩きたいなあと思っていて、あと、ベース弾きたいです!」
そして、番組コメンテーター龍崎孝さんからはこんな質問が。
龍崎孝さん:
「羽生さんは物事に対して完璧にいろいろ考えているんだなと思っていたが、自分自身を見直したときに、実は自分のこんなところ嫌なんだよねなんて思うことはありますか?」
羽生結弦さん:「基本的に自分のことそんなに好きじゃないので、むしろ嫌いなので、だから嫌なところいっぱいありますよ。ただ、考えるということ、例えば思考実験的なものはやっぱり好きで、自分が今発言している言葉たちにどういう意味があるのかとか、例えば哲学的な生きてるってどういう状態をいうのかとか、スケートっていうものはどういう状態をスケートというのか、演技って何だろう、表現ってなんだろう、いろんなことを考えるのはすごく多いので、それがインタビューされているときに出てくる言葉たちに含まれていたり、逆にそれが“くどくて”好きじゃないっていう自分がいます。伝わればいいなあと思いつつも、自分の中では『お前うるさいからもうちょっと黙っとけ』みたいな自分もいます」
今回の番組出演で、1つ1つの質問に丁寧に答えてくれた羽生さん。スケートに対する真摯な向き合い方はもちろん、非常に繊細な内面まで、明け透けに語ってくれた貴重なインタビューとなりました。
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