73日間の派遣前訓練が終了しました。始まる前までは不安でしかありませんでしたが、初日から周囲の人たちのコミュニケーション能力の高さと行動力に驚かされたのを思い出します。

 

普段の生活では関わることのない職種の人たちや、幅広い年代の人たちとの交流で、毎日刺激的で濃密な時間を過ごしました。そんな2か月半の生活を振り返ってみて、あの時、思い切って挑戦して本当によかったなと思っています。

 

本記事では、海外協力隊の応募を決断した理由から、研修の思い出を記します!

 

 

 1,JICA海外協力隊の応募を決断したわけ

 

同僚に「なぜ今なの?」「何か嫌なことでもあったの?」「家族は大丈夫なの?」 このような質問攻めにあいました。おそらくみんなが思っていることです。応募を決断した理由は以下の通りです。

 

1. 大学生のときから国際協力に携わってみたかった。海外へのあこがれがあって、海外で仕事をしたかった。しかしながら親の反対でそんな夢はあっけなく却下される。それ以来、日々の生活に追われ忘れ去られていた。

 

2. コロナ禍を経験したこと。当たり前のことができなくなったあの時期。歌も歌えず、楽器も演奏できず、人とのコミュニケーションも一定の距離をとってという、最悪な状態を振り返ってみて、「いつかやってみたいではなく、今できることは今やろう」 という気持ちの変化があったこと。

 

3. コロナ禍の時期、ちょうど息子が海外(アフリカ)に興味を持ち、さまざまな活動をしていたことに刺激を受ける。内心、やっぱり私の子だな…と思いながら、忘れ去られていた海外への思いが湧いてきた。 「今の私なら音楽教育の分野でこれまでの経験を活かして国際協力ができる」 と思った。

 

▼息子の記事はこちら

 

①Honda Jetに一緒に乗りました。笑

 

②とても分かりやすく記事にしてくださいました!

 

 

4. 子どもが20歳を迎え自立したこと。これを節目として、これからは自分がやりたかったことに挑戦しようと思った。

 

 

 

以上がJICA海外協力隊に応募した理由です。

 

応募するにあたり、家族に話すと 「いいよ、後悔しないように頑張ってみたら」 「やってみたら、そんなに甘くないと思うよ」 どこか他人事で軽く流されました。

 

しかし、2次試験の提出書類は息子からダメ出しをもらい、書き直すこともあり、またリモート面接での実技動画や画面操作など、家族の協力があっての合格だと思っています。

 

また、職場の所属長の許可が必要でした。私は2年間の自己啓発休暇を取って参加する予定でしたので、応募する前に所属長に相談をしました。反対されるのではないかとドキドキしていましたが、自分の思いを話すと理解してくださり 「あなたの人生なのだからいいですよ」 と快く認めてもらいました。

 

 

 2,合格後から訓練前まで

 

職場では新しいチームで動き出していました。来年4月から休職することを言えずにいました。なぜなら、私がこれまで経験した中で最高のチームだったからです。それぞれの持ち味を活かして仕事をこなす。そしてチームとして最も大切なコミュニケーション力。時間があれば、よくみんなで語り合い、話し合っていました。私はそんなメンバーが大好きでした。だからなおさら誰にも言えずに時が過ぎてしまいました。

 

訓練前に、たくさんのレポート提出や、語学課題の提出がありました。期限を守り一つ一つこなしていきました。土日はほぼレポートで終わったのを記憶しています。

 

その課題だけでは不安でしたので、中学英語から高校までの問題集を5~6冊ほど終わりにして、毎朝の通勤時にはラジオ英会話、朝早く職場へ行き20分間程単語を覚えたりしました。何年も英語から離れた生活を送っていたので、思い出すのに時間がかかりました。やはり何事も継続することが大事であるということを痛感しました。

 

人事異動の時期となり、全職員の前で4月から休職することを伝えました。この時ばかりは相当緊張していたようで、変な敬語が混じっていたのを覚えています。

 

「この教員不足の中、休職するなんて・・・」と非難されるのを覚悟していましたが、みんな温かく、拍手までしていただき、涙が出るほどうれしく、そして報告が遅くなってしまい申し訳ない気持ちと、やっと言えたことでの安心感と複雑な気持ちでした。

 

左隣の席でいつも冗談を言ってからかっていた先生には 「3年間一緒に仕事したかったです。修学旅行も一緒に行きたかったです。」 と言われて寂しくなりました。また右隣の私の相棒からは「僕もJICAに興味があります。海外のこといろいろ教えてください。応援しています。」と言ってくれました。うれしかったです。

 

3月中はいろいろなハプニングもありましたが、引継ぎをしてあっという間に過ぎていきました。

 

 

 3,73日の派遣前訓練でのこと

 

 

【語学】

おそらくこれまでの人生で一番英語の勉強をしたといっても過言ではない、そのくらい時間を費やしたと思います。というかやるしかなかった。語学研修はこの研修のメインでした。

研修2日目にはクラス分けのテストが行われました。最初はリスニング、続いて文法でした。久しぶりのテストで緊張して疲労感でいっぱいでした。即日クラス分けが発表され、私たちのクラスは6人でした。年齢も職種も異なり、また出身地も様々で、とても楽しく語学を学べる環境でした。なんといっても先生がとても明るく元気。

 

一方的な講義とは違い、必ずアクティビティを取り入れての授業でしたので、一日の授業はあっという間に終わってしまいます。教える立場から教わる立場に変わり、学びがたくさんありました。英語は学校で学んできているけれども、わかっているつもりだったことが、実は理解していなかった、ということがしばしばあり、時間をかけて勉強してこなかったことを悔やみました。とはいえ、この語学の授業は本当に楽しかった。できることならずっと学んでいたいと思うほどでした。

 

ある日は英語でクッキーづくりをしました。材料、買い出し、作り方、備品などすべて英語で説明しながら作りました。またある日は近くの工場見学へ。帰宅後は英語でレポート提出。天気の良い日には屋外の木々に囲まれたベンチで講義をすることもありました。煮詰まった頭をリラックスさせようと先生の優しい気遣いだったなと思います。

 

毎週金曜日にはテストが行われました。難しいものでしたが、必死で覚えました。毎日が脳トレのようでした。授業以外に最低2時間は英語の勉強をしました。私は宿題と予習、復習だけで精一杯でした。そして研修後半は最終試験に向けて焦りだしました。特にスピーキングテストは不安が大きく、日本語でも難しいような内容を聞かれるようだと必死でした。

 

 

【生活】

この1次隊には教員が多く、自主講座や自主体育祭、自主文化祭と、自分たちで企画実行してしまうという、なんともエネルギッシュなメンバーたちがそろっていました。

 

自分の得意分野を活かした自主講座では、ヨガやエアロビなど様々な講座が開かれて参加が楽しみの一つとなりました。生活班というものがあり、毎日の朝の会時の人員確認や週一回の班ミーティングなど学校のような生活を送りました。

 

班での飲み会やサプライズお誕生会など、とても楽しく過ごすことができて学生時代に戻ったような感覚でした。みんなありがとう。

 

しかしながら、このような経験ができたこと、感謝しなければと思います。先生には本当に感謝しています。愛情をもって厳しく指導してくれました。毎日頑張って英語で書いた日記を読み直すと、そのことがよくわかります。本当にありがとうございました。

 

 

語学最終試験後の飲み会↑開放感でいっぱいでした!

 

最後の班ミーティング!

サプライズで班長、副班長、担当スタッフへ感謝の気持ちを込めてプレゼントを贈りました。

 

 

研修期間中、同じ語学クラスの仲間とは多くの時間を一緒に過ごしました。

 

①    ネパール料理を食べに行ったこと。モモを初めて食べたこと。

②    先生にピアノを聴いてもらったこと。

③    先生がクッキーにネパール語で名前を書いてくれたこと。

④    養命酒工場見学ツアー(英語オンリー)

⑤    先生と先生の旦那様が諏訪湖やまびこ公園や諏訪神社、松本城に連れて行ってくれたこと。

⑥    民族衣装を着せてくれたこと。最後にふるさとを歌ったこと。

 

 

そのほか数えきれない思い出をありがとうございました。

 

研修中のある土曜日、遠方から元同僚が遊びに来てくれました。知らない人に囲まれての日々の生活で、予想以上に緊張していたみたいです。顔を見た瞬間、安心感でいっぱいになったのを思い出します。おいしいお蕎麦を食べて、おしゃれなカフェでお茶をして近況報告をしました。おなかを抱えて笑ったのはいつぶりだったかな。ありがとう。

 

訓練中の思い出・・・その①

離任式用動画撮影に班のみんなが協力してくれました!練習していないのに何でこんなにそろっているの?というくらい素敵なメッセージ動画ができました。みんなに感謝です。

 

訓練中の思い出…その②

オンライン説明会 ~駒ヶ根訓練所から生中継~
パネリストとして参加しました。長時間緊張しましたが良い思い出の一つになりました。

▼アーカイブで動画視聴できます。よろしければご覧ください!   

https://www.youtube.com/watch?v=vYPHzUB0UGk

訓練所の思い出・・・その③

自主講座~音楽教育~任国で手作り楽器を作ってみよう!

様々な発想で楽器を作り、リズムアンサンブルをして楽しみました。やっぱり音楽って楽しい。

 

 

訓練所の思い出・・・その④

語学担当の先生がネパール出身でしたので、最終授業でネパールの民族衣装を着せてもらいました。ティカもつけています!

 

↓先生とのツーショット

訓練所の思い出・・・その⑤

突然「MIHO、Sing!」 毎度の無茶ぶりには慣れました。「ふるさと」を歌いました!

 

 4. 出発に向けて

 

帰宅してから、張り詰めていた糸が切れてしまったような感覚で、なにもする気になれませんでした。そう、駒ヶ根ロス状態。

出発前までにしなければならないリストを作ってあったので、まずは会いたい人に会いに行く。歯医者、眼科、予防接種、人間ドック、必要な物の買い出し、表敬訪問等。7月は予定でいっぱいになりました。埼玉の蒸し暑さに耐えながら、駒ヶ根のさわやかな空気を恋しく思い毎日を過ごしています。あと一か月、毎日大切に過ごしていきます。