おもしろい民話に出会った
その民話とは、
『梨の子ペリーナ』♪イタリアの昔話。
前回は、酒井駒子さんの
素敵すぎる挿絵について綴ってみましたが、
今回は、お話の民話らしさ・面白さ
を綴ってみます。
※「民話」とは、民間説話のことで、昔話と伝説に
大別できます。ここでは昔話の意で使います。
フリー画像より:イタリア民話なので梨とは、洋梨
まず、題を見て思ったのは、
「イタリア民話」って知らない気がする
ということ。
良く知られた民話を思い返す…
「浦島太郎」「桃太郎」などは
日本。
「3匹のこぶた」「金のがちょう」は、
イギリス。
「スーホーの白い馬」は
モンゴル。
……
うん、たぶん知らない。
初のイタリア民話とは
どんな感じかなと
ワクワクして読み始めました♪
この先、ネタバレ注意
洋梨の花
このお話の元は、「イタリア民話集」の
「梨といっしょに売られた女の子」だそう。
梨に紛れて、お城にやってきたペリーナ。
いろいろあって、王様から
「宝箱を探してこい」と
命令されます。ペリーナは
宝箱を無事に見つけられるのでしょうか…
というお話。
読み進めると
やっぱり、ありました。
民話によくある、あれ。
「繰り返し」
民話では、「3回の繰り返し」が
よく用いられます。
例えば、
日本代表民話「桃太郎」での
仲間①:犬🐶
仲間②:猿🐵
仲間③:きじ🦃
では、
「梨の子ペリーナ」の「繰り返し」は?
宝箱探しに行く前に
謎のおばあさんから
(これも民話あるある)
3つのアイテムをもらっていたので、
繰り返しはなんと、4回。
ペリーナの行く手を
阻むモノたちが4つも!
てっきり3回かと。よく読むと
おばあさんから
3つのアイテム+言葉(呪文)も
もらっていました。
試練①:かまどの女:アイテムA
試練②:飢えた犬:アイテムB
試練③:赤い川:呪文
(読んでるときは試練はこれで終わりかと思った)
試練④:錆びた扉:アイテムC
でもこうやって、分析してみると
親切①:かまどの女
親切②:飢えた犬
困難☆:赤い川
親切③:錆びた扉
3回とも捉えられますね。
これが、イタリア風なのか?
何にしろ、ペリーナは
勇敢です。
恐ろしいモノ達にもひるまず
親切にします。
この親切が、後から効いてくるのです。
❁
訳者さんのあとがきに
酒井駒子さんが
このお話に惹かれたのは
「苦しみを解放してあげるストーリー」
だからという内容のことが
書いてありました。
また、イタリアの民話には
果物がよく出てくるそうです。
地中海らしい( *´艸`)
❁
この『梨の子ペリーナ』の
勇敢さ、優しさに触れると
自分の心の奥の何かが
刺激されます。
民話の役割とは
そういったところに
あるのでしょうね。
関口英子訳
酒井駒子絵
2020/BL出版