今日は最近悶々と思うことを書き連ねたので、長いです。
日仏カップルになら存在する選択肢、
それは、フランスに住むか、日本に住むかということだと思います。
我が家もこれについてずっと考えている口だけれど、
ここ最近、私の日本熱がすごく高まって、日本に帰りたい波が到来中。
フランス滞在2年目中期くらいまでは、
日本には帰りたくないと思っていました。
今になって思うと、渡仏当初はフランスを好きになろうという
脳内麻薬的なものが多少なりとも出ていたんじゃないかと思います。
ここで一生生活する可能性が高かったから、
「フランスは素敵!ここの方が断然良い!」と、
無意識にそういうところに焦点を当てようとしていたというか、、、
それから何度か一時帰国や渡仏を繰り返して、
そういうのを抜きにして、
どちらの国も冷静に見るようになりました。
もちろん今でも、フランスの大好きな部分も沢山あります。
- 表向き親切にして、本当に困った時に背をむけるのではなく、表向きなうちは無愛想でも、親しくなったらとことん親切にして、助けてくれるところ
- 新鮮な野菜や食料が集まるマルシェが、週に何度も開催されるところ
- ビオ(有機)製品が身近なところ
- 環境問題に対する意識レベルが日本よりだいぶ高い(人の割合が多い)ところ
- 皆違って当然、横並びである必要なんかないという自由な考え方があるところ
- 柔軟性があり、教科書通りでなくても対応してくれたりするところ
- 重そうな荷物や、お年寄り、ベビーカーの人なんかを、すぐヘルプするところ
- 笑顔の裏に本当の思いを隠すのではなく、怒るときは怒り、笑う時は笑う。感情に素直なところ
- 突っ込んだ質問や、腹を割った討論を日常的にするところ
- 思っていることを口に出すから、人がわかりやすいところ
- 自我が強くて、まずは自分で考える癖がついていて、メディアなどにすぐ洗脳されにくいところ
- 街に緑がきちんと残されているところ
- 芸術がすごく身近で、無料の音楽祭などが多いところ、etc
全部はあげられないけれど、パッと思いつくのはこれくらい。
でも総合的に見て、やっぱり日本かな~という気持ちが
振り切れそうになっている今日この頃。
それは日々の小さな、人々のモラルのレベルや文化の違い、
例えば、
- 道端に落ちるゴミやタバコの吸殻、犬のフンや人の痰が多すぎるところ
- 清掃された道路に平然と捨てられている子供のおもちゃやベビーカーの巨大な箱など、どうやってここに捨てようと思ったのか理解に苦しむものを見かけるところ。
- 年に何十回も車のガラスが割られて、粉々のガラスだらけの道
- 直しても頻繁に割られるバス停のガラス(ガラス割られすぎ!)
- 治安が悪いところ(空き巣、スリ、引ったくり、薬物等、日本も存在するけれど、レベルが違う。殴って携帯盗んだり、耳からピアスを引きちぎったり。こちらの警察24時的な番組を見る度に、日本のそれと比較してしまい帰りたくなる)
- 愛犬すら盗まれるところ(もう、耳にタコができるほど忠告されてきて、嫌気。怪しい人にも何度か出くわしました。)
- 相手の話をしっかり聞く前に反論しようとするところ(Oui<うん>の後のmais<でも>が口癖なんじゃないかと思ってしまう。)
- バスの運転手の運転が荒いことが多く、ヒヤヒヤするところ(命を預かっている意識ゼロ。久々に日本でバスに乗って、運転手さんが「安全運転に心がけます」と挨拶された時にびっくりしてしまった。)
- 相手を気遣うレベルが違いすぎるところ
- 自己主張は得意だけれど、協調性が低いところ
- フランス人自身も言っていたけれど、ものすごくindividualiste 個人主義になってきているところ(これはどの先進国も一緒かな。)
など。
一口にフランスと言っても、北から来た人に言わせると、
マルセイユに近いプロヴァンスの雰囲気や人、文化は独特なものがあるようなので、
この南仏に住んでの感想といった方が良いかもしれません。
最近は日本の良いところが自分の中でクローズアップされているけれど、
どちらの国にも良いところがあり、悪いところがあり、
単純に比較することなんてできないし、それって物凄く難しいことだと思います。
今はフランスで生活しているわけだし、
今を楽しむために、フランスの良いところも見て日々過ごしています。
ただ、写真で見るフランスは美しくても、
暮らしとなればポストカードとは違うのが当たり前の現実。
この間、ライトと二人で歩いている時に、ふっと思ったのです。
「相方がいなくても私、ここにいたいと思うかな?」って。
答えは一瞬で出て、それは「ノー」でした。
私が渡仏に迷っていた頃に職場の同僚が言ってくれたこと、
「居場所ってさ、物理的なものではなくて、心の居場所が大事なんだと思う。
だからMにとっての心の居場所が相方なら、フランスに行ってもきっと大丈夫だよ」
私の渡仏を後押ししてくれた言葉で、未だにずっと忘れません。
本当、その言葉の通り、私の場合、相方と、
本音トークができる少しの友達がいるからここにいるんです。
大切な友達がこの街を去る度、この街が色あせて見えて行ったのは、
彼らと一緒に私の心の居場所が無くなったからなのかもしれません。
無くなった分、補ていないのが現状。
だからどんどん執着がなくなっていくのかな。
在仏の人は皆、どういうふうに思って過ごしているのだろう?
書いていて気になってきたので、
お友達にも聞いてみようと思ったのでした。