それは、彼が天国に召される1週間前の出来事だった。
熊本の友人からのメール。
意味がわからず、折り返し電話すると、
彼の命が短いことを知らされる。
結納で熊本に帰ったとき、その友人夫妻と食事をして、
その後、彼と友人のご主人が仕事で繋がりを
持つようになった。
仕事のことを、話してくれる人ではなかった。
面倒…という思いと、私に余計な心配をかけさせたくないという
思い、両方だったのだろう。
彼がどんな仕事をしているのか、熊本の友人から
聞かされて知るという感じで、
「変な夫婦ねぇ~」と笑われていた。
話したくないと思うことを、無理に聞くことは
しなかった。
話したくなれば、話してくれるだろう…
彼にふさわしい妻になろうと頑張ったけれど、
力不足だった。
二人で話し合って、別々の人生を歩むことを決めた。
心底憎んで そうしたわけではなかった。
いつか…時間が経って、また笑顔で逢える日が来る。
そう信じていた。
友人からの知らせがなかったら、
後に知らされることはあっても、生前の知らせは
届かなかっただろう。
子供も流産していたから、遺産相続もない。
籍を抜いてしまえば、他人なのだから。
息をひきとる数日前、ご親族のご配慮で、
彼と面会させてもらうことが出来た。
鼻から管を通されて、
もう、言葉を話せる状態ではなかった。
病と戦ってきた姿がそこにあった。
それでも、生きようと懸命に呼吸する彼の姿。
こんな形で、こんなに早く再会するなんて、
思ってもみなかった。
もともと口数が多い人ではなかった。
でも最後に…
「生きてさえいれば、乗り越えられる」
最後に自らの姿で、私に教えてくれた。
私を妻として迎えてくれた彼の、
最後の最大の無言の愛情だった。
彼が最後に伝えたくて、私をここに呼んでくれたのだと、
涙が溢れて止まらなかった。
息をひきとった日、通夜、告別式。
彼がお世話になった会社のオーナーや、
ご親族のご配慮で、
お見送りをさせて頂くことが出来た。
何故もっと、彼の思いをわかろうとしなかったのか。
自分の思いをわかってもらえない…
辛い思いをしたことがあったけれど、
私の伝え方が間違っていたのではないか。
後悔しても、もう彼はいない。
生きている中での悩みなんて、些細なこと。
考え方ひとつで、苦しみにも喜びにも変えられる。
ひとつ叶えば、またひとつ叶えたくなる。
前向きに生きることと、欲は別物であること。
あの日から、私の人生観が変わった。
脳裏に焼き付いて離れない 彼の姿は、
彼が私に残してくれた、何よりの財産となった。
熊本の友人からのメール。
意味がわからず、折り返し電話すると、
彼の命が短いことを知らされる。
結納で熊本に帰ったとき、その友人夫妻と食事をして、
その後、彼と友人のご主人が仕事で繋がりを
持つようになった。
仕事のことを、話してくれる人ではなかった。
面倒…という思いと、私に余計な心配をかけさせたくないという
思い、両方だったのだろう。
彼がどんな仕事をしているのか、熊本の友人から
聞かされて知るという感じで、
「変な夫婦ねぇ~」と笑われていた。
話したくないと思うことを、無理に聞くことは
しなかった。
話したくなれば、話してくれるだろう…
彼にふさわしい妻になろうと頑張ったけれど、
力不足だった。
二人で話し合って、別々の人生を歩むことを決めた。
心底憎んで そうしたわけではなかった。
いつか…時間が経って、また笑顔で逢える日が来る。
そう信じていた。
友人からの知らせがなかったら、
後に知らされることはあっても、生前の知らせは
届かなかっただろう。
子供も流産していたから、遺産相続もない。
籍を抜いてしまえば、他人なのだから。
息をひきとる数日前、ご親族のご配慮で、
彼と面会させてもらうことが出来た。
鼻から管を通されて、
もう、言葉を話せる状態ではなかった。
病と戦ってきた姿がそこにあった。
それでも、生きようと懸命に呼吸する彼の姿。
こんな形で、こんなに早く再会するなんて、
思ってもみなかった。
もともと口数が多い人ではなかった。
でも最後に…
「生きてさえいれば、乗り越えられる」
最後に自らの姿で、私に教えてくれた。
私を妻として迎えてくれた彼の、
最後の最大の無言の愛情だった。
彼が最後に伝えたくて、私をここに呼んでくれたのだと、
涙が溢れて止まらなかった。
息をひきとった日、通夜、告別式。
彼がお世話になった会社のオーナーや、
ご親族のご配慮で、
お見送りをさせて頂くことが出来た。
何故もっと、彼の思いをわかろうとしなかったのか。
自分の思いをわかってもらえない…
辛い思いをしたことがあったけれど、
私の伝え方が間違っていたのではないか。
後悔しても、もう彼はいない。
生きている中での悩みなんて、些細なこと。
考え方ひとつで、苦しみにも喜びにも変えられる。
ひとつ叶えば、またひとつ叶えたくなる。
前向きに生きることと、欲は別物であること。
あの日から、私の人生観が変わった。
脳裏に焼き付いて離れない 彼の姿は、
彼が私に残してくれた、何よりの財産となった。