彼女は 「彼を下さい」と
真っすぐな眼差しで 私を見ながらそう言って。。
なのに私はうつむいたまま コーヒーカップの中の

揺れるコーヒ模様を見ていた。

あの時私は 視線を感じたまま 何も言えずにいたけれど。。
夏の煌めく日差しみたいに 真っすぐ射す彼女の言葉に 胸を打たれた。


あの言葉が彼女の全てだったはず。
あの瞬間に私は彼女を好きになれた。
あの時の彼女の気持ちを好きになれた。

当時 私は彼のただの婚約者だった 約束なんてきっとはかない。
それでも彼女は言えずには いられなかったのかもしれない。
それだけ彼を愛していたんだ。。

彼女の持つ携帯の飾りも 煙草の銘柄も彼と一緒で
私は彼を いつの間にか見失っていたんだと思う。


小さな痛みはあったけど 店内に薫る コーヒーの匂いが 

私を優しい気持ちにさせてくれた
そして流れる音楽が 二人の気持ちを解いた。

自分の全てをぶつけてきた 目の前の彼女と見つめあって
なぜか二人とも 泣きながら笑いあった 夏の日・・

素直になるのは 本当は1番難しい。。。

だけど正直にならなければ 越えられない事もある。


彼も彼女の そんな素直な気持ちが 好きだったはずだ。

気持に正直でいられる 彼女を好きだったはずだ。。

なかなかやるな 昔私が好きだった人。。。

彼女はいまどうしているかな?
いつか一緒にお酒を飲もうねと 最後に約束をしたけれど。。
まだ忘れていないかな?いつかの約束・・

七月になるとの あの時の偽らない 爽やかな彼女を思い出す。
七月産まれの 夏の空のような彼女を思いだし。。。

彼女が見せてくれた まっさらの心を思い出し


だから私も少しは素直に 生きてこられたのかもしれない・・