2024/05/11 | メモリーマン

メモリーマン

 
 
生涯メンタルヘルス









初めて会った時、頗る綺麗な子だなと思った
ありきたりな綺麗さではなくて
綺麗であることに価値がある女の子


写真を見ながらまず思い出したのは
2人で乗っていたバスの中だった
「生理が来ないの、避妊してくれない妊娠したかもしれない」と泣きながら話す15歳の彼女

次に思い出したのは
恋人に貰ったヴィヴィアンのネックレスを嬉しそうに見せてくる彼女

別のクラスなのに毎日私のクラス、
どころか席まで来て
泣いたり笑ったりする彼女

思えば13年間の彼女を知っていて
写真展の中にはその中の8年間の記録しか残っていないのに

まだ写真を撮られることを知らない頃の
彼女のことばかり考えていた



混在と共鳴と同調
生育歴に問題があるもの同士が惹かれることは
よくある話で

彼女の確立された綺麗な物体と
確立どころか形すらぼやけている色たちが
私の記憶を相互する



こうやって生き延びてきたのね
と思い涙が止まらなかった

まだ生きられそうだね
貴女も、私も