そこに集まった人々は、どこから来たの?


どうしてここにきたの??


そんな質問など全く必要ないほど、お互いの感覚が溶け合っていた




パーティーは、初対面な者同士とは思えないほどの盛り上がりだった。



全身汗だくだった私は、さらに汗だく状態。



多分、そこにいた多くが意気投合のその盛り上がりように、違和感なく、汗だくで楽しんでいたに違いない。


持っているものでもなく、辿ってきた道でもなく


唯、今ここに在る



同じ感覚で共鳴し合う存在・・・


こんな関係性の心地好さを、私は初めて体験した。






ダイヤモンドのパワーの紳士がくれた名刺には


『エイトスターダイヤモンド』と書かれてあった。



ギャラリーのオーナーの話によると、スピリチュアル界に名を馳せている大物らしい。


「オーラの泉の一番初めのゲストだったのよ!」


そんな話も、離婚後まったくTVを観なくなった私にはチンプンカンプンだった。



彼女の口から芸能界、政界の著名な名前がズラっと並び、彼を飾りたてるのだが、


私の関心は、どうしてこの人にこんなに惹かれるのか・・・の一点に集中していた




彼は他の作品には目もくれず、


「この作品は私のベッドの真上に飾るよ。


夜中、眠れないときに枕元に出てきて、私を癒してほしいからね。」



まるで『悠久のとき』に恋でもしてるような口ぶりで、熱い眼差しを『悠久のとき』に注いでいる。



癒す?どうしてなのだろう・・・


この人物に癒しなど必要ないではないか



「少し前に、身体の調子が悪くなり、思うように身体が動かなくなってしまって・・・」


彼は、歯痒そうにそう言った。



内側にこれだけのパワーを秘めていたら、衰えていく体力に不満が出てきても仕方がないのかも知れない


そう思うと、途端にこの人物に対して愛おしさがこみあげてきた




この感覚・・・・




もうすでに同じ感覚が、私の中にはあった






絵が描けなくなった私はもがいていた



描きたいというその思いを、何かで埋めようとしても無理だった


すべて意味のないことに感じ、またここに戻ってきてしまう


私は描くために生まれてきたのに・・・




しかし、自分のなかに巣食ってしまった不信感は、なかなか私を自由にしてはくれなかった


描くことに向かうのが怖い・・・



どうしたら、この思いを拭えるのか、私は路頭に迷った


描けない自分を責め、更に自分に追い打ちをかける日々。


こんな私に価値などない


生きていても仕方がない




私は、救いを求めた




そして、その救いに応えるかのように、運命の糸はまた絡み始めた






絵を描いていた頃、私の傍らには必ず音楽があった。


音を導入口にして、自分のテンションを高めないと描けなかったのだ。


その頃の私には、日常と絵の世界に大きなギャップがあり、


日常を送りながら絵を描くことはとてもハードなことだった。



そんな中、知り得た友人の一人で、ギター職人がいた。


彼の影響で、私もギターを弾き始めた。



どんどんギターの魅力に惹きこまれていく




ある時、ギター職人が一人のギター弾きを絶賛していた。


名前はゴロー。


彼は、心臓にペースメーカーを埋め込んだ身体で、朝も昼も晩もただひたすらギターを弾いている・・・

そんな男だった。


まさに命がけのアーティスト・・・この言葉が彼にはしっくりくる




前評判がやたらいいと、大抵はガックリくるものだ・・・


期待することに疲れていた私は、そんなことを考えながら彼のCDを聴いた。




言葉で表現できないほどの世界が、そこには広がっていた




その絶え間なく続く音は あるときはひたすら永遠にやさしく揺らぎ・・・


瞬間、その永遠を奪うかのような、激しく迸る音色への変容


ダイレクトにハートに落ちてきた


景色がみえ 世界がみえた





内側の冷え切った世界の氷河が溶け、涙となって流れる






辛く永い冬が終わった





春の温かな日差しのなかで、天使が微笑んでいた。。。





                                                                                                   
《僕は傍にいるから》




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