田んぼの冬の草は結実の時期を過ぎている。変わってイヌビエなどの夏の草が芽生えて蔓延る夏がやってきた。私の田んぼは耕さず代掻きをせず米作りを始めてかれこれ10年目になる。
これまで何とか米つくりがうまくいっていたり、悪かったりと、どちらともいえない。
ここにきて代掻きしないことのデメリットが顕わになってきていて、昔ながらの耕して代掻きする米作りの必然的帰結というものを理解できるような気がする。10年もやらないと分からない自分が単に頭が悪いからだけなのかもしれないが。
※一つに、草をどうやって退治するか。厄介な草は種類としては幾種類かに限定されるが、耕して代掻きすると稲以外の草は毎年稲作の出発点としては一掃される。
※一つに、代搔きされたトロトロの田んぼに田植えをするのはとても簡単で早くできる。能率がとても良くなる。手で植えるのはもとより、機械化も容易で田植え機を使うと何十倍も速くできる。
草の種類を見ると、帰化植物なので昔は無かったのかもしれないが、オガサワラスズメノヒエはとても厄介だ。まだ一枚目の田んぼにしか入ってきていないが、今年は早くも枯れた冬の草の上に覆いかぶさるようにして茂り始めている。こうなっていてはこのまま不耕起で田植えをしたなら、この草に田んぼ全面が覆われて、稲はさっぱり大きくならないだろうと思われる。
一部にはまたケキツネノボタンが群落を作っているが、去年までこの状態で不耕起で植えたところ、さすがに稲の生育は遅れてしまった。
ここは枯れ枝を冬の間積んであったので冬の草が茂らなかったところで、枯れ枝をを除去したらタチスズメノヒエやイヌビエがどっさり生えてしまった。
こんな状況なので今年はハンマーナイフモアーで田んぼ全体の草の地上部を粉砕することにした。
タイミングとしては最高のコンディションと言える。晴天続きでスクミリンゴガイが活動していないので土にもぐっている彼らをミンチにしてしまう心配はほぼない。草も粉砕後乾燥するので復活もしにくいだろう。
しかし草むらにはコオロギ、バッタ、カエルやヘビなどがいたので機械の前で逃げ惑うのが多く見られた。ヒヨドリたちが集まってきてバッタなどの小動物をついばんでいた。
やりながら、人間のコロニーに巨大化したハンマーナイフモアーをかけるところをつい想像してしまう。田んぼの小動物に対してやっていることはそういうことだ。