私見を述べた更科昌志は、加藤莉香と言い合っていた。

「そんな事より今度のオカルト調査ってどこか候補あるのかよ!いつも提案するのは俺か伊藤じゃねーか!」
「私が提案した所はいつも却下するじゃないですかー」
「お前はいつも食いもん目当てで考えてるからだろ!中身が伴ってないんだよ!中身が!」
「えー、でも昌志先輩も「美味しい」って言いながらソフトクリーム食べてたのを私 見ましたよー」
「みんなが食べてたら食べたくなったんだよ!もーいい!おい伊藤、次の候補地なんかいい所ないのか?」

「待ってました」と言わんばかりか、眼鏡をクイッとあげた伊藤祐二が

「そうですね。爪ヶ丘(つめがおか)にある人体実験が過去に行われていたとされる廃墟。略木神社(りゃっきじんじゃ)の鳴き虎。あ、あと桐敷山(きりしきやま)の発光現象なんかどうでしょう。」と提案。
「発光現象?」と純度の高い疑問を抱いたイントネーションで青木綾子が発言。
「ええ。馬係町にある桐敷山(きりしきやま)の山頂が時折りピンクに光るみたいなんですよ」と伊藤祐二。
「へー。なんかロマンチックですねー。」と加藤莉香。
続けて「ところで先ぱーい、こんな事してていいんですかー?」と加藤莉香の問いに対して、
洋介は一拍置いたのち間抜けな声で「へ?なにが?」

「就活ですよー。先輩達はみんな就職先決まったみたいですし。あー私も綾子さんと同じトヨシマ建設受けてみよっかなー」


「馬係町。どっかで、聞いたような・・・」
と記憶を辿る洋介であった。