少しして、修真くんがお茶を持って帰ってきた。
「麦茶でいい....?」
「あ、ありがとう...」
駄目ですわ...。緊張してお茶がノド通らない...!
「えと、その....美高!」
「はっ、はい!」
ビックリしましたわ。何でしょうか...?
「お、俺....。その...」
なんの話するのかしら...。まさか!
その時、下から悲鳴が聞こえてきた。
「ぎゃあああああ!姉さんが帰ってきたああああ!!」
姉さん?
お姉さんが帰ってきただけで、何がそんなに恐ろしいんですか?
「いや....。そんなに怖くないんだけど...。どこかこう、変質的で....」
いつもは家にいないのですか?
「うん..。いつもは海外だから...。もう23だし....。」
話の途中くらいで、階段を駆け上がってくる猛烈な足音が聞こえてきた。
「お兄ちゃんんん!!どうしよう!!姉さんがああああ!!」
猛烈な勢いのまま、猛烈な勢いでドアを開けた。
「怖いよおおおお!」
「美奈、姉さん鍵.....持ってるか?」
全く、この家のお姉さんはどれだけ恐れられてるのかしら。
しばらくして、インターホンの音が家に響いた。
それを美奈の不安と絶望に変える。
「いやあああああ!!」
「あけろ!美奈、いるんだろ?今日の下着の色はピンクかなー?」
なっ...。
「どうしてわかってんのよぉ....!?」
顔を真っ赤にして、半泣きで呟いている。
「信吾と修真はいないのかー?背ぇ伸びたかー?おーい。信吾は....変わってないかァ。マジでおーい。」
信じられないわ..。外で思いっきり叫ぶなんて行為...。
「あ、信吾じゃん!変わってないなァ。ちょうどよかった!開けてー」
森山信吾が帰ってきたわね...。
「ね、姉さん....。」
外から聞こえてくる話を、私達は室内から静かに聞くことにした。
「相変わらず小さいなぁ。ん、鍵!」
「中に美奈と修真いると思うよ?僕が図書館行ってる間は留守番してって言ったもん。」
ばれてるわね....。
「それに、修真の彼女来てると思うんだよねぇ。出かけたのかな」
か、彼女!?
「修真に彼女!?すごいなぁ。あんな物静かにも出来るもんだな...!」
修真くん、顔が真っ赤ですわ...
「修真~、美奈~。中にいないのぉ?」
なんだか、こっちまでヒヤヒヤしてきましたわ...。
「俺....。鍵開けてくるよ...」
そう..。気をつけてね?
階段をトントン、と降りてゆく音がどんどん遠のいていく。
ガチャ、という音がしたとたん
「修真~!どうしたの、凄い変わってる~!」
「別に...。最後に会ったのは...」
「五年前よね!ん~、我が家久しぶり~!」
五年前...!
中学校の一年生のときからということは、お姉さんは18の時に海外に..!?
「あの時は160cmくらいだったよね。今は180くらい?」
「まぁ...。そんなとこ」
「相変わらず固いな~!」
せっかくお姉さん帰ってきてるんですし...。
階段をおりて、修真の横に。
「修真くん、そろそろ私帰りますね」
「えっ..」
するとすかさず、お姉さんが飛び込んできた。
「君が修真の彼女!?超かわいいじゃん!ん~でも、惜しいなあ」
少し視線が下がった。
「おしり、小ぶりだねえ。ウエストくびれてるし、胸大きいし、もうちょい太ってもいいよ?」
なっ....!?
「姉さんっ...!」
「そうだねぇ。もうちょっとウチにいなよ~。修真の彼女さんの事もよく知りたいしさ?」
ん、...。
どうしたらいいんでしょうか。
とりあえず、
「それなら、もう少しいます...」
押しに弱いな、私...。