ステロイド外用剤については以前から様々な議論があります。
一時期は「悪魔の薬」などと言われて
塗ると止められなくなる、リバウンドする
などといった根拠のない話が横行した時期もありました。
ただ、そういう時代も経験した皮膚科医からしますと、
ステロイド外用剤は一貫して皮膚科の治療の主翼を担うお薬でありつづけており、
効果と安全性の確かめられたお薬です。
そもそも副作用のないお薬というのは存在しません。
薬の作用がいくつかあるうち、人間にとって都合の良い作用をその薬の作用（主作用）として使用しているだけであり、
人間にとって都合の悪いものを副作用と呼んでいるにすぎません。
人間の都合で線引きしているだけのことです。
ステロイド外用剤と内服の副作用は全く異なります。
ステロイド内服は、長期に続けると全身的な副作用があるお薬ですが、
疾患の重症度や持続期間などを加味して副作用に注意しつつ広く使用されています。
一方、外用剤の副作用はほとんどが局所的で皮膚に現れるものです。
皮膚科専門医のチェックを受けながら、症状に応じて使用する分には、
大きなリスクはなく、
効果も高く、
効果発現が早く、
塗った時の刺激感なども少ない。
多くの人に必要、かつ有用なお薬なのです。
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