(153)滋賀県野洲市 大岩山古墳群 

天王山古墳(前方後円墳)

大岩山丘陵から平野部にかけては、AC250~500年代までに首長墓が連続して築かれました。特に石室が素晴らしい円山古墳(円墳)・甲山古墳(円墳)と前方後円墳である天王山古墳は近江の後期古墳を代表するもので、これら含め現存する6基の古墳を大岩山古墳群と命名し、桜生(さくらはざま)史跡公園として整備されました。



◎天王山古墳(大岩山古墳群唯一の前方後円墳)



後円部から前方部を望む

 

 

全長50m、高さ8m、前方部幅25m、後円部直径24mで前方部を北方に向ける。

前方部幅の方が後円部幅より大きくわずかに高くなっているため、

古墳時代後期の特徴を現している。自然の地形を整形して造られた古墳。

 


前方部から後円部を望む

 

墳頂に上ると、墳丘斜面の急峻さに驚く

 

幅24mに対し高さが8mであるから勾配は平均約35度であるが、

下段は勾配が緩いから墳頂付近は45度前後となる。

墳丘表面で葺石・埴輪は認められていない。



主体部の埋葬施設は、後円部では明らかでないが、前方部の横に

花崗岩の石室の天井石が一枚露出しているように見える。


発掘の結果、全長4.3mで、1.4mの狭い羨道から、長さ2.4m、幅1m以上の玄室があり

左袖式の小さな横穴式石室が発見された。
石室は花崗岩の板石を積んだ構造となっているようだ。

出土物は須恵器・土師器・韓式土器など



築造時期はAC500~525年ごろ(古墳時代後期の6世紀初頭頃)



引用・参考/現地案内板(野洲町教育委員会)・Wikipedia