(120)茨城県大洗町 磯浜古墳群 姫塚古墳
(3世紀後半築造・全長29.4m・前方後方墳)
この古墳は茨城県大洗町の磯浜古墳群(大型円墳1・前方後円墳2・前方後方墳1)のうちの前方後方墳で築造時期が一番古い。
全長は29.4mで、前も後も方形の前方後方墳。
高さは4.4mで、後方部は縦長の形態(幅の1.25倍)を持っており、
前方部は大きくハの字形に開いている。
周溝が確認されており、後方部外縁は楕円形に近く、前方部は狭小。
このような特徴は弥生時代の前方後方形墳丘墓にみられる。
出土品は小型丸底鉢が墳丘から転落した状態で見つかっており
葬送に伴う土器配置の一端を示すとともに、
近くの弥生時代後期の一本松遺跡出土の土器に似た特徴を持つ。
これらのことから姫塚古墳は弥生時代と古墳時代の境に当たる古墳とみられ、
那珂川流域、河口部における古墳文化の波及を考える上で
特に重要な遺跡となっている。
埴輪はない。
古墳の築造はAC260-290年ごろ(3世紀後半ごろ)