一刀斎夢録 | miguel664のブログ

miguel664のブログ

ブログの説明を入力します。

浅田次郎の「一刀斎夢録」を読んだ。

新選組ものでは「壬生義士伝」「輪違屋糸里」に続く三作目。

義士伝は吉村貫一郎というほかでは主人公にならないであろう人物が主人公になっている。

一刀斎とは三番隊隊長斎藤一が主人公、タイトルは名前をひっくり返したもの。



斎藤一は子母澤寛以来新選組物語では活躍する隊内屈指の剣客。

よくわからないことも多い。


古くは播州明石浪人となっているが、幕臣の息子だともいう。

江戸から京へ向かった浪士隊の中には名前がないのに、新選組設立時には隊長となっている。

江戸で近藤らと交流があったと考えられているが、確証はない。

その後、名前を次々に変えているところから、浪士隊には別名で参加していたという仮説もありそうだが、見たことはない。

左利きという説があるが、隊士の描いた絵には刀は普通に左に差している。

子母澤寛にある左利きの突きとは別の意味ではないかと思う。


伊東甲子太郎一派が分裂した時にはそれに従うと見せて間者として入った。

のち組に帰参、以来山口次郎(二郎)と名乗る。


鳥羽伏見で敗走後は江戸にもどり、会津藩と行動を共にする。

会津の如来堂で官軍の襲撃を受けて死亡と伝えられていたが、生き残り、一瀬伝八と名乗り会津藩士として斗南まで移る。


明治になり、東京に出て藤田五郎と名前を変え、何と警視庁に入る。

西南戦争にも参加したといい、警視庁退官後はどこぞの守衛をしていたとか。


ともあれ、大正の世まで生存した。


同じく、小樽では永倉新八が同じころまで生きた。



この小説では明治が終わったときに陸軍近衛少尉に昔語りを聞かせるという形になっている。


上記よくわからないところはすべて埋めてある。


左利きの居合の名手…


読後感はよろしくない。