「うつの上にも三年」 というタイトルを掲げながらも、実はもう四年になりますか。うつになってから。ああ、いや、五年かな。

そんな風に、病気になってどのくらいなのかすら分からないって云う、そんなこたあないだろう、と思われるかも知れませんが。

あるんです。

もしこれが熱風邪だったらどうでしょう。平熱は何度かな? 自分は36.2度くらいでしょうか。だから、37度を超えると「ああ、風邪かも(よろよろ)」と思ったりします。風邪薬を飲んだり病院へ行ったり、ゆっくり横になったり。そういう風に、数字で目に見えたりしたら、「わたしはびょうき」と自覚ができるのでしょうが。
自分が考えるに、うつ病には

「病気である」と「病気でない」の間に「グレーゾーン」がある

そんな気がします。しかも数字ではかりとれない、それはそれは微妙なグレーの帯が。きっと。
そして「病気である」状態でも自覚していなくて自分では「病気でない」と思っていたら、それは記憶としては「あの時は病気ではなかった」になるでしょう? だって熱とか計れないのだから、自分の感覚や記憶に頼るしかない。

だから、私は(自分を身体的に悪い可能性を全て検査して、エコーやらCTスキャンやら内視鏡まで飲んで)初めて

「身体に異状はないけど、病気だね」

と、先生に専門の病院を勧められた時が「病気になった時=自覚した時」と思うことにしております。
ま、こういうのは人それぞれだと思うけれど。でも、身体を沢山検査して、でも何にもでなくて、それでも「不安が収まらない」という感覚におびえていた私は、その時に、本当に、しみじみと

ああ、これって病気なんだ…?

と思ったのでありました。それがうつ病とのおつきあいの始まりでもあったのです。