ムスタン王国でお祭りを見ようとしたら、体調がゲロゲロに悪化したときの話。 | 世界を旅するラブレター

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「アラサー・独身・彼氏ナシ」現代女性の三重苦を背負ったバックパッカーが、さらに「住所不定・休職」をステータスに加え、世界一周に旅立ちます。

ナマステ!(こんにちは)

 

リアルタイムでは、10日間ベルギーでベルギービールを浴びるように飲んで

ベルギーチョコレートのようなオトコの甘さに惑わされ

ベルギーワッフルのようにぎゅーぎゅーに心を焼かれながらも

トルコに戻ってきたミギー(セックスしようとしてる場合じゃねぇ!)です。

 

気ままにあっちにいったり、こっちにいったりしてますが

世界一周ルートとしては西回りでまわるつもりなんで

まもなくアフリカに突入の予定っす。

 

 

さてさて。

話は、日本人訪問者は年間数十人程度という秘境、

ネパールの自治区ムスタン王国に戻りまして。

 

年に一度のお祭りバーモ・フェスティバルを見るべく

首都ロマンタンでの滞在を一日延長した、10月3日の朝。

 

お祭りの前に、ゴンパ(僧院)で朝6時くらいから

いつものプージャ(観行、修行)が見学できると聞いていたので

早起きして、ちょっと街を散歩してからゴンパへ。

 

朝の王宮。

 

メインのお堂の右隣にある建物から、少年たちの声が聞こえてきました。

なかをのぞいてみると、小さい子から、中学生くらいの子までが

30人くらいで読経中。

 

靴を脱いで壁際にあるマットに座り、しばらく見学させてもらうことにしました。

 

すると、少年たちは

「あ、誰かきた」「うん、ホントだ」

「こっち見てるよ」「うん、見てるね」

と、お経を読みながらも、そわそわモード。

 

1ページずつになってる経典を各々読んで、

読み終わったら次の人に渡すんだけど

経典を渡すときにチラッ、チラッと、わたしの様子をうかがう子も。

 

一見、ちょっと大人びて見える少年僧たちだけど

中身はまだかわいい子どもなんすね。

 

あとで撮らせてもらった写真。礼儀正しくてホントにいい子たちでした。

 

もしかしたら、めったに見学者が来ないのかもしれないなー。

ジャマしちゃったなー…と思っていたら

今度は外からチベタンホルンと太鼓の音が。

 

メインのお堂でのプージャが始まる時間。

 

少年たちにおじぎをして部屋を後にし、メインのお堂へ。

 

青年から年配の僧までが、少しずつ集まってきてプージャが始まりました。

中央に座る僧が太鼓を鳴らすのにあわせて、みんなでお経を読んでいます。

ときおり器に入った米粒をひとつかみし、高く放ったりしながら

プージャは続いていきます。

 

彼らの発する、深く染み入る声に身を委ねていたのですが…

 

徐々に自分のカラダに異変が。

 

なんだか胃が痛いし、おなかがずっとギュルギュルしている。

 

でも、まだプージャが見たい…。

と、痛みをごまかしながら、寒いお堂のなかに座りつづけること数十分。

 

最初のプージャが終わり、休憩時間になったようで

僧たちが朝食にツァンパを口にしています。

 

ツァンパ:大麦を煎って粉にしたもの。そのままでも意外においしいけど、

お茶にまぜたりして団子状にして食べると、ほんのりあまくて、いっそうおいしい。

 

はじっこに座っていたわたしにも「いかがですか?」と

僧がバター茶をもってきてくれました。

 

その心づかいとお茶があたたかくて、うれしかったんですが

どうにもこうにも胃の痛さがおさまらかったので

いったん宿に戻って胃薬を飲んでから出直すことに。

 

ふらふらしつつ宿まで戻ってきたわけですが。

 

あまりのシンドさにカラダが動かず、胃薬を飲んでベッドに倒れ込む始末。

 

あぁ…早く治ってくれないと

プージャの続きも、午後からのお祭りも見られないじゃないか…。

なんのために滞在延長したんだよ…。

 

寝袋と毛布にくるまって、ひたすら回復を待つ。

 

トイレに行くたび、肛門から出るアレの水分量は減っていき

ついには固形ですらなくなり、水分しか出なくなり。

 

水分だけなら、肛門から出てくるんじゃないよ!

水分用の穴があるでしょーが!

部屋とトイレが隣でよかったわ、ホント。

と思いながら、何度も何度もトイレ御百度参り。

 

早く治れ、早く治れと思っているのに

きもちわるさは増していき、

ついには上の口からもマーライオン。

 

ひさしぶりの、上の口と、下の口の同時上映です。

 

どうせ上下両方の口を攻められてツラい目に遭うんなら、

こういう体調不良じゃなくて、エロ方面でお願いしたいんですけど。

 

脱水症状にならないように水分とって、トイレいって同時上映して

またベッド戻って水分とって、またトイレいって…

 

あー、ちくしょー…と思いながら、部屋でウンウン唸って数時間。

 

7時間くらい休んだら少しマシになってきた。

ような気がする。

うん、マシになった。

だいじょうぶ、だいじょうぶ(暗示)

 

お祭りを見に行くべく、またゴンパへ向かったものの、まだ準備中のよう。

うーん、どうしよう。

立って待ってるのシンドイから戻ろうかなー。

と思っていたら

今回このお祭りに誘ってくれた僧、ツェリン・テシの姿が。

 

ツェリンが「まだ始まるまでもうちょっとあるので、お茶でもいかがですか」と

僧院のリビングでお茶を入れてくれました。

 

そのお茶がコレ。

 

とてもやさしいかおりで、こころまであたたまるようなお茶でした。

さっきまで「具合わるい、きもちわるい、シンドイ」しか考えられなかったのに

その不安がすーっと引いていくような感覚。

 

「いいお茶ですね。わたしもこのお茶がほしいんですが、どこで買えますか?」

と聞くと、ツェリンは

「このお茶はメディカルハーブが使われているので、医者の処方が必要なのです。

 なので、買うことはできないのですが…

 よかったらいまわたしが持ってる分は、あなたに差し上げましょう」

と、持ってる茶葉をゆずってくれました。

 

このお茶が入れられていた袋の説明によると、どうやら下痢や胃痛にも効くらしい。

 

たしかに回復してきた気がする。

このお茶のんでから、トイレ御百度参りをせずに済んでるし。

プラセボ効果かもしれないけど、すごいぞムスタン医療。

 

ちなみに、ムスタンにはメディカルハーブ(薬草)を使って

病気を治療するお医者さんが数人いるそう。

 

くわしくはLower Musutangのジョムソンにある「ムスタン・エコ・ミュージアム」に

展示されているので、興味がある方はぜひ寄ってみてください。

 

 

ツェリンは、少年僧学校の校長先生だそう。

お祭りがはじまるまで、ずっとわたしに話をしてくれました。

 

欲は尽きないものであること。

たとえば、よりよい異性を追い求める人は

何人の異性をモノにしても、その気持ちには終わりがないこと。

それは愛ではなく、欲でしかないこと。

 

たとえば、お金がほしい人は、

どんなにお金を持つようになっても、もっと欲しくなること。

際限のない欲に心をうばわれていても、それに気づかず生きてしまうこと。

 

…たしかに。

「ツェリン。お話しはわかりますが…欲をなくすのはむずかしいですよ。

 出家して修行するわけにはいきませんし、どうしたらいいんですか」

 

「そうですね。では、シンプルな方法をお教えしましょう。

 毎日一日二回『自分の人生』について考えてみてください。

 長い時間でなくていいんです。

 朝起きたときと、夜寝る前とか、ちょっとの時間でだいじょうぶです。

 『自分にとって、よく生きる』とはなにか。

 『あなたの本当の成功』とはなにか。

 毎日考えてみてください」

 

 

ツェリンと話しているあいだ、なぜか、ずっと泣きたかったんです。

彼の発するおだやかな空気と、まっすぐに入ってくる言葉に涙がでそうで

それをずっとこらえてました。

 

きっと、涙目になってたから

ツェリンは気づいていたでしょうけど。

 

「さぁ、祭りが始まりますよ。行きましょう」

 

外に出ると、特別な衣装を着た僧(中央)が

ほかの僧の演奏にあわせて舞っています。

 

お供え用のプレートもお堂のなかから登場。

 

しばらくすると僧らは街へ移動していきました。

 

ゴンパから出て最初の広場で、また演奏と舞がはじまりました。

 

僧たちがかぶっているトサカのような帽子は、ムスタン独特のもの。

 

ムスタンのみんなといっしょに見学していたら、

急に仮面をかぶった男性が走り込んできて

広場を縦横無尽に駆け回るではありませんか。

 

最初は一人だったのが、どんどん増えて三人に。

この三人は人間のわるい部分を表現しているそうです。

 

その後、また場所を変えて演奏と舞。

 

さらに場所を変えて、また演奏。

 



人間のわるい部分を表した仮面僧を追い払ったあとは、

プレートを掲げもって、地面に叩き付けて割ります。


 

メイン行事はコレで終了。

 

ふたたびゴンパに戻ったあと、また演奏。

悪に打ち勝った僧に、ムスタンのみんなから祝福のカタ(スカーフ)が贈られます。

 

じゃんじゃんカタをかけられるので、僧がカタでもっこりしちゃってます。

 

 

これにて一件落着。

バーモ・フェスティバル終了です。

 

ちなみに、ムスタン王国でいちばん大きな祭りはティジ・フェスティバル。

チベット暦で日取りが決められるので、毎年開催日が変わりますが

だいたい日本の春くらいのようです。見てみたいなー。

このときばかりは、たくさんの旅行者が来るらしいっす。 

 

このあとは、ツェリンにもらったお茶のおかげか体調はかなりマシになりました。

 

ガイドのサビンくんも心配して、スープを部屋にもってきてくれたり

「具合がわるくなったら、ボクはあの部屋にいるから声かけてね!

 だいじょうぶだよ!」と、いろいろ面倒を見てくれました。

 

あ、シモの面倒はちゃんと自分で見てましたよ。

替えのパンツも無傷ですからね。漏らしてないです。

 

次回、ムスタン編最終回の予定。

 

 

読んでくださり、ダンニャバード!ヘリベトゥラ(ありがとう、またね)

 

 

I’m still alive , and i love u.

 

 

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