労働省が発表した4月の雇用統計では100万人程度の雇用増が予想されていた中、結果は26.6万人増にとどまり(*1)、予想からの下振れ幅は過去最大で、失業率は6.1%と、3月の6.0%から低下予想に反して上昇し、パンデミックの影響が依然響いている証拠となったようです。

 

この雇用統計の反応としては、米景気への楽観が後退した半面、FRBによる金融緩和の長期化観測が強まったことは予想通りの結果ですが、雇用統計の悪い数字は一時的だという見方が強いためか、発表後はドル円が急落した以外は概ね受け止め方は良好で、株式市場では買いが優勢になり、昨晩のDOWは+229ドル(0.66%)のジリ高となり、34777ドルと史上最高値の更新を続ける結果となりました。

 

DOWは今月に入って、(先月末の33874ドルから昨晩の34777ドルまで)903ドル(2.67%)上昇しているのに対して、日経平均は(28812円から29357円まで)545円(1.89%)高にとどまっています。

仮に、日経平均の対ドル比(N・D倍率)が5日平均の85.21%だとすれば、週明けの日経平均は(34777ドル×85.21%=)29633円と、7日比で276円(0.94%)高になる計算です。

DOWに比べて日経平均の伸びがやや鈍いことを考慮すれば、もう少し上昇率が低くなることもあると思いますが、週明け10日の日経平均は200円以上の続伸になりそうです。

 

ドル円が7日時点の109.11円台から108.58円台まで急落していることで、輸出関連株を中心に売られることが予想されますが、日本株の円高耐久力は以前より強まっていることや、円高が海外投資家の日本株買いにつながる(*2) ことを考えれば、円高が日経平均に与える悪影響は存外小さいかも知れません。

 

 

(*1)一部の学校がまだ開校しておらず、在宅が続き、女性の雇用が減少し、更に需要と供給の混乱が続いており、自動車工場などが半導体不足で休業となっていることなどが背景と見られているほかに、巨大な政府の失業者支援策が供給されていることで、あえて雇用に戻らない失業者もいるといわれています。

ただ、週平均労働時間が予想外に上昇しているほか労働参加率も上昇し、不完全雇用率が10.7%から10.4%へ低下し、ほぼ1年ぶりの低水準となったことは明るい材料です。

供給サイドの混乱が大きく影響したと見られていますが、いずれ供給サイドの問題が解決すれば、強い需要が雇用の増加に繋がる可能性があり、ISMやコンファレンスボードの調査では、企業が労働者の獲得に苦労していることが伺え、同時に、パンデミックの影響が払しょくするまでは時間がかかり、FRBは経済指標が結果として改善が見られるまでは大規模緩和を維持する可能性が強いようです。

 

なお、雇用統計の主な指標は次の通りです。

×4月非農業部門雇用者数=+26.6万人、予想=+100.0万人、3月=+77万人(+91.6万人から下方修正)

×4月失業率=6.1%、予想=5.8%、3月=6.0%

〇4月平均時給(前年比)=+0.3%、予想=ー0.4%、3月=+4.2%

 

 

(*2)円建ての日経平均に対して、ドル建ての日経平均はドル安になればなるほど株価に割安感が出ます。