昨晩のDOWはワクチン開発期待を背景に、経済再生が早まるとの思惑が投資家心理を強気に傾け(*1)、主力ハイテク株に買いが集まり(*2) 全体相場を牽引し、289ドル(1.05%)高の27976ドルと反発しました。
(*1)トランプ大統領は11日夕、7月下旬から3万人を対象とする最終段階の臨床試験に入っていたバイオ製薬のモデルナとワクチン購入の契約を交わしたと発表しました。ワクチンが普及すれば経済の正常化を後押しするとの見方が広がり、幅広い銘柄への買いを誘いました。
(*2)アナリストが目標株価を引き上げたスマートフォンのアップルが3.3%上昇し、新しいスマートフォンを9月に米国で発売すると発表したソフトウエアのマイクロソフトも2.9%高になり、この2銘柄でDOWを140ドル近く押上げました。
11月の大統領選で民主党の候補となるバイデン前副大統領は11日夕、副大統領候補として同氏と同様に穏健・中道派のカマラ・ハリス上院議員を起用すると発表したことを受け、株式市場では安心感が広がりました。
「ウォール街に厳しいとされるエリザベス・ウォーレン上院議員などは選ばれず、副大統領候補を巡る不透明感が解消された」ためのようです。
民主党の副大統領選びを巡る不透明感は消えましたが、11月の大統領選の結果が出るまでは米政治の先行きはまだ分からず、世界中で開発が進むコロナワクチンも実用化の時期や普及率などもまだ見通せません。
期待や観測を手掛かりに過去最高値圏まで上昇してきただけに、「米政治とコロナ収束の不透明感が晴れるまでは、ここから先の上昇余地は小さい」との見方は多いようです。
フィラデルフィア半導体株指数も大幅高で最高値を更新、エヌビディアが5.4%高になったのをはじめ半導体関連株への買いが顕著で、東京市場でもこの流れを引き継ぎ、日経平均は280円(1.23%)高で寄り付きました。
最近の好調な経済指標や四半期決算を受けて、経済活動の再開にともなう回復期待が広がったほか、追加財政策を巡る議会折衝も時間の問題との楽観的な見方から上昇して寄り付いた昨晩のDOWと同様に、高値でスタートした日経平均は新型コロナウイルス感染拡大や米中対立激化への懸念は継続しているものの、新型コロナワクチン開発進展やワクチン実用化による経済正常化期待が大きく株価支援要因となり、4-6月期決算発表が今週でほぼ一巡することから、企業業績に対する過度の警戒感もやや後退しました。
好調な決算を発表した銘柄は発表後上値を伸ばしています。
8月3日に4-6月期連結営業利益が前年同期比44.7%増加したと発表したイビデン(4062)は決算発表直前から昨日まで25%を超す上昇となり、同様に好決算を発表した日本電産(6594)は右肩上がりを続け、DeNA(2432)は決算発表直前の1191円から昨日の高値(1860円)まで56%超の急伸となっています。
イビデンとDeNAは昨日年初来高値となり、日本電産は今日も年初来高値を更新しました。
リスクオンに傾いた日経平均は結局405円(1.78%)高の23249円まで急伸し、6月8日のコロナショックによる暴落後の最高値(23178円)を抜きました。
昨日、5日線が25日線を抜いたことが大きく、今日の急伸で転換線が基準線に追いつき、一目均衡表は良い形になりつつあります。
25日移動線乖離率が+2.93%になりましたが、騰落レシオは96.44%であり、高値警戒感はまだなさそうです。
チャート上からも年初来の高値(24116円)に向かう可能性が高まっているといえそうです。