☆ベタでキラキラな無邪気達☆
「ホロ苦いホットケーキ」
(若さとは、すべてがミステイクなのさ
いきなりホットケーキを焦さずに美味しく
焼けないように、すべてがレッスンなんだ
だからこの今回の失恋で結果的に
おまえが得意気になって、あの娘の事を
もっと大切に出来ずに、悲しませてしまい
そして離れて行ってしまったのは
若さのミステイクだからなのさ
その強がりの奥の情けない自分を隠さず
もっと女にきちんとリスペクトすることを
覚えて成長するようにと課されているのさ)
ストリートボーイの勇太は
見事にフラれた。
調子に乗りすぎて、彼女の恵理菜に
捨てられた。
まだ様にならない酒をむやみに
流し込んで、強がりながらも
うなだれ肩を振るわせている。
最近、お世話になっている
歳の離れた兄貴のようなカフェの
マスターの言葉に、今にも未熟な
自分を流すような涙が溢れ出した。
かのじょの最後の言葉が
突き刺さり、いまさら愛おしく
すでに手遅れだった彼女の決意
(勇ちゃんの事、凄く愛してたよね(泣)
ヤバすぎだったよね、私いつも勇ちゃん命
だったもん、いっぱいいっぱい一緒にも
いてラブラブだったもん、でもそれでも
浮気の時は、もう絶対に死ぬって思ったし
今でも実は悲しいよホントはね
あれからやっぱ、ずっとずっとへんだった
最近は普通に、勇ちゃんが嘘つくのとか
私をほっとくとか、疲れちゃったよ)
勇太は、素直になれずに
逆切れするように、彼女の落ち度の
アラを探しだして、掘り起こしては
お前だってお前こそと反論しまくり
言い訳のゴタクを並べてしまった。
恵理菜は泣きながら部屋を
飛び出したままさすがに音信不通に
なって2週間が過ぎていた。
(まぁ若いあんちゃんだもんな、まだよ!
思わずホロ苦いもん焼いちゃったわな
それじゃかわいいおねーちゃんも
心からウメえなって食ってくれねえよ
その娘は、おまえの大先生だってことだ
いつまでもナメた気分で調子こいてっと
女はキッチリと男以上にケジメ
つけるってな、ダメ男に付いてる事より
アンハッピーな事はないってな
めそめそと言い訳なんかみやげに
これ以上、追っかけんじゃねぇーんだぞ
おまえこそミステイクを噛み締めろさ)
マスターの男気が勇太を振るわせた。
(恵理菜
今までありがとう
そしていつのまにか寂しい思いばかり
させちゃって悪かった。)
こんな単調な気持ちと言葉がどうしても
出て来なかったし知らなかったんだ。
こんな適当だった俺だけれど
別れはやっぱ辛いが、遅かった
おまえへの感謝に気づいた事は
なんとか届いて欲しい。
「ベタキラ」好評連載中 see u next