今日は、読売新聞の人生相談に寄せられた結婚4年目の30代の男性からのご相談について書かせて頂きます。



【母と子宝祈願 嫌がる妻】



これによると、この夫婦は協力して不妊治療をしているそうですが、なかなか子宝に恵まれず、ご相談者の母親から「神社で子宝祈願をする」と誘われ、これまで3人で2回行かれたそうです。



その母親から「また行こう」と誘われているのに対して、妻は「プレッシャーを感じる」と嫌がっていて、ご相談者が言うには、母は「子を持つ喜びを与えてあげたい」と好意で言っているのに妻がなぜ嫌がるのか分からないと言います。



今、このご相談者の妻と同じように、不妊治療をしながらなかなか成果が出ない女性がこれを読んだら「当たり前じゃない! こんな女心が分からない旦那はイヤ!」なんて怒りの声が聞こえそうですが、いかがでしょうか。



このご相談に対して、子育てや母性に関する著書を書かれている大学教授の大日向雅美さんは、「不妊に悩む妻の胸中に思いやりが欠けている」と指摘しています。

さらに、母親の行為が善意であることは分かるけれど、それに早く応えなければならないと妻を追い込んでいると言っています。



全くその通りだと思います。



ただ、このご相談者は、「私には妻も母も大切。家庭の平穏のために、私の取るべき態度を教えて下さい」と、今年の帰省に合わせ、妻の元気がなくなっていることを心配していることから考えると、まだ見込みのあるご主人だと思いました。



結婚すれば、子どもはできるもの。

女性は、子どもを授かることが何よりの喜び。

女性は、全て母性があり、自分の子どもはかわいい。



こんな個体観念を持った人に、不妊治療をしながらもなかなか子宝に恵まれない女性が、「子どもはまだ?」とか、今回のご相談のようにお姑さんに「子宝祈願に行こう」と何度も誘われたら、かなりのプレッシャーを感じるでしょう。



もちろん、こんなことにそれほどプレッシャーを感じないでいられる人もいるでしょう。

人からの期待に対して、その期待に応えられない自分を責めたり、責任を感じるその感じ方の尺度は、人それぞれなのです。



それは、体の痛みに強い人、弱い人がいるように、心の痛みに対しても同じように、強い人、弱い人がいるのです。



この母親が善意で言っていることであり、このご相談者も、善意であることは、間違いないでしょう

でも、自分が良かれと思っていることが、全ての人にとって正しいことではない場合もあります。



女性の中にも、「どうしても子供をかわいいと思えない」とか、「まだ子どもは作らないで、夫婦の時間を楽しみたい」などと考える人もいるでしょう。



つまり、自分が善意で言っていることでも、それが押し付けになっていたとしたら、それは有難迷惑な行為になってしまいます。



このご相談者の妻が、そうなのかはわかりませんが、「女性は、子どもを授かることが何よりの喜び」は、全ての女性に通用する概念とは言えないと思います。



それは、「夫は外で働き、妻は家を守るべき」と同じように、「男とは」「女とは」と言うジェンダーで語られることです。



女性が、この「女とは」と言う視点で言われることに対抗があったりプレッシャーを感じたりするのと同じように、男性も、「夫は外で働き」が相当プレッシャーなのだと思います。



それは、毎年3万人以上の自殺者の多くが、働き盛りの男性であったり、非正規雇用の男性の未婚率が、正規雇用の男性と比べて低いと言った統計があり、それは、男性自身が自らその想いにプレッシャーを背負っていたり、妻からそんな言葉を掛けられたりするのかもしれません。



例えば、育ち盛りの子どもがいて、ご主人がリストラされた家庭。



再就職活動はしているけれど、こんな不況下ではなかなか見つからずイライラしている所に、妻の実家から、「○○さんの仕事、まだ見つからないの?」とか「就職先探すのお手伝いしましょうか」などと言われたら、それはかなりプレッシャーであり、もし、紹介されたところに就職できればいいですが、このご相談者のように、成果が出ない。つまり紹介されても採用されなかったりすれば、逆に「○○さん、仕事できるの?」「能力無いんじゃない」などと、実際に言われなくても、「そう思われているのでは」と、かなり辛い立場になるでしょう。



この「男とは」「女とは」の固定概念に縛られ、その価値観による言動や、自分では善意でやっている言動が、夫や妻に対して、プレッシャーをかける結果になることがあることを、頭の片隅に置いておいて頂きたいと思います。




離婚カウンセラーと行政書士による

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