「うわ〜!美味しそ〜!いただきますっ」



『俺、唐揚げ大好きなんです!』って
秒で唐揚げ定食に決めた相葉くんは、

本当に嬉しそうに、唐揚げ定食を見つめ

てる。



"大好き"、なんて…嬉しそうに見つめら

れてる唐揚げ定食よ!

俺はお前が、心底羨ましいぜっ!

「うまっ♡」


う…///。

 

唐揚げを頬張る仕草さえ…

かわいいんですけど。



さらには
その頬張られてる唐揚げさえも

キラキラ輝いて見えてる俺…。


はい。分かってます。

………かなり…イタイヤツですよね。



「1個食べます?」

「え?」


俺があまりにもじっと相葉くんを見てた

から、唐揚げが欲しそうに見えたのか?

美味しいよ?って
俺の皿にコロンと唐揚げを1つ乗せた。

………。


カワイイ…。


コロンって…俺の皿に…唐揚げ…。



あぁ…コロンって転がった唐揚げさえも…


…カワイイ。




「あはは。ありがとう。じゃ、お返しに…」

俺は、自分のトンカツ定食のトンカツを
一切れ、相葉くんの皿にのせた。


「わ♡ありがとうっ!」

くふふふっ


って…


本当に嬉しそうに笑うから
こっちも自然と顔がほころぶ。


世の中には可愛い人は沢山いる。


でも、こんなに可愛いくて、

"可愛らしい人"、とは出逢ったことがない。


本当に可愛らしい人って
相葉くんみたいな人を言うんだろうな…。



俺は、目の前の相葉くんに見とれながら、

相葉くんからもらった唐揚げを、口に運ん

だ。



「あ、うまっ!俺、唐揚げ定食食ったこと
なかったけど…本当、美味いわ!」

「でしょ?くふふ。あ!トンカツも美味し

いっ!柔らかいね?」


「だろ?」



食べ物を分け合う、なんて、俺自身、

あまり好きではなくて、今までしたこと

なかったけど、、、。



…なんだよ、これ……。


めちゃくちゃ幸せじゃんっ!?


なんなんだよ、この気持ち…。


分け合って食うことって

こんな気持ちなの?


初めての感情が、俺の身体の中を

ワサワサと駆け巡る。



「ねー櫻井さん?美味しいもの食べてる時

って、めちゃくちゃ幸せ感じません?」


「ふふふ。本当、幸せそうだね?
相葉くん」

「へへへ。幸せですよ?櫻井さんは?」

「うん。俺も幸せ、かな////」


「ですよね〜?」


…そっか。


相葉くんと、だから、だ。


相葉くんとだから


分け合って食うことが

美味いものを食うことが


こんなに幸せなんだ。


……知らなかった。


好きな人と一緒に食べる。


ただ、それだけのことが

こんなに贅沢で幸せな時間だったなんて。



て!

恋に堕ちたのは

たったの数時間前なのに。


もうこんなに頭の中は相葉くんでいっ

ぱいって、どれだけのスピードで俺の

恋心は成長してるんだよ…。



止まらないよ?

止められないよ?



こんなにすげぇ勢いで走り出す恋に

俺自身かなり戸惑ってるけど


まだまだこれからも

走り続けたい。



終わらせたくない。



これから先も

ずっと、ずっと

君と一緒にいる幸せ、を感じていたい。



だから…


「じゃ、また。一緒に幸せな時間
過ごそうよ?相葉くん」

「へ?」

「また、一緒に飯食いに行こう?」

「え…。は、はいっ!」

「これからもよろしくね、相葉くん」

「こ、こちらこそっ!/////」



こうして俺は


さり気なく

相葉くんの連絡先をゲットした。




イエイ✌