この秋に映画化されるということで

ちょっと引っ張り出して読んでおります

山崎豊子の「沈まぬ太陽」


のーらぶのーらいふ
しかしこれよく映画化できたよな~

ベースは実話、登場人物もモデルがいるし

なんせ舞台になってる「国民航空」はモロ日本航空だしね。


内容はエリート街道を約束されてた航空マン恩地元(おんちはじめ)が

組合活動に力を入れるあまり会社からにらまれ

中東からアフリカへと僻地をたらいまわしにされる不当人事に耐える「アフリカ編」


とにかくこの主人公の恩地が不器用というか

正義感と義侠心が強くてそれはそれはオットコ前!なんですが

読んでてはがゆくなるんだよねえ・・・好きだけど、こういう男


アフリカ篇は怒りながらもガンガン読めたんですが

物語は日本に帰ってから・・・と続きます。

不当人事がおかしいぞ!ってことになり

やっと晴れて日本に帰れてよかったね!だったんだが

その矢先におこるあの墜落事故

「御巣鷹編」の始まりです。


恩地は全くの畑違いの「遺族係」にさせられ現地に。

ここからはもう・・・あまりに辛すぎて読むスピードが遅くなってしまいました。


とにかく前半の事故の凄惨さを描く描写がリアル。

実名で登場する遺族それぞれのエピソードがつらい。


息子夫婦と孫を一気に失った老人。

子供だけを飛行機に乗せたことを後悔する親。

とにかく指一本、背中の皮一枚でも持って帰り埋葬したいと

必死で遺体安置所で家族を探す執念。


そして皆一度は新聞などで見た事があるあの「遺書」

乱れる文字で書かれた

「今までは とても 幸せな 人生だった」

という文字はとても忘れられるものではありません。


とにかく被害者一人一人、遺族のエピソードの一つ一つが重く

一つ読んでは本を閉じ、消化するまで時間がかかり

しばらくしてやっと続きが読める・・・といった具合。


後半は遺族への補償交渉にはいります。

いやな役目です。

玄関先で「人殺し!」とののしられ、

お金に群がる親戚軍団とも戦い、

なにより事故によって一家がバラバラになったり

体を壊していく姿を目の当たりにしながら

交渉をしなければならない恩地たちの立場・・・


空の安全を改善するにはまずは会社側が誠意をみせるべき、と考える恩地と

利便性追求のあげく事故を起こしたにも関わらず事故原因を隠そうとしたり

保障を安くさっさと終わらせたい会社。

かつて空の安全は良好な職場環境にあり!と組合で戦った過去のある恩地は

何も変わってない会社の体質に失望します。


このあと会社の政管への癒着や腐った体質、分裂し歪んだ構造の組合を

立て直すべく外部から新しい経営者が招かれます。

その会長室長に任命される恩地は新しい会長の下で

共に闘う決意をします。

さて会社は立ち直るのか・・・!?


恩地のライバルとして野心家の行天四郎という同僚が出てくるんですが

この二人の対比は「白い巨塔」の里見と財前のような感じ。

立場が違うと物語もこうも違ってくるんですねえ。


恩地は確かに正義感も強く、ともに戦う同志の為にもと

不当なへき地勤務もじっと耐えるのですが

同じように苦悩を強いられる家族から見たら

「正義」ってなにかね?(菅原文太風に)って感じ。

妻は文句ひとつ言わず・・・なんですが

「もう!さっさと謝っちゃいなさいよ!!」とはならんのだろうかねえ・・・(`∀´)ならんか。


映画は途中休憩挟んで3時間20分だって!

でもそれでも短いかもしれんぞ。

大丈夫か?

でも楽しみ。

公開は10月です。

恩地に渡辺謙

妻りつ子に鈴木京香サマ

行天に三浦友和

他にも香川照之(うまいよね、このひと)大杉漣などおきに俳優目白押し( ´艸`)

とりあえず途中まで読んでる四巻早く読まなければ・・・!