うん、そうだよね。
俺たち二人でひとつだもんね。

君のために俺がいる、
俺のために君がいる、
みたいな?

そんなふうに一緒にいたいな。

いろいろ伝えたいと思うのに、涙を堪えてるせいか、喉が詰まって上手く声が出ない。
だから、返事の代わりにまーくんにキスをした。
まーくんの黒目がちな瞳が微笑んだ。


…てかさぁ、それがスイッチになるなんて、思わないじゃん。
確かに「大好き」って気持ちでキスしたよ。
けどさぁ、だからってそんなに気分モリモリに盛り上がる?
俺らお風呂にも入ってないし、お布団も出してないんだよ?
やっと買ったちっこいソファーじゃ狭くて無理だって言ってんのに…。

おかげで、なんかヘンな体勢になったりしてさ。
せっかく堪えた涙も溢れるし。さっきの俺の努力はどーしてくれるんだ。
そりゃ期待してたのは否定しないよ。
しなくても、こういう時体力オバケなまーくんにはついていける気がしないんだよな。
案の定、途中から記憶が曖昧……。


目が覚めたら、お布団で寝てた。
ぼんやり天井を眺めていると、物音がしてまーくんが視界に入ってきた。

「おはよう」
「…おはよ」

お風呂を沸かしたって言うから、身を起こそうとして俺は呻いた。
腰が痛い。なんならおしりも痛い!
恨みがましくまーくんを見つめてみる。

「洗ったげるね!」

まーくんは明るく言って、満面の笑み。
俺は、わんこか。

一人暮らし用のバスルームはめちゃくちゃ狭くて、本来二人で入るようなものじゃない。
とか言って、しょっちゅう無理くり二人で入ってるけどさ。
さすがにお風呂は、二人でゆっくりできる広さだったらなぁ、としみじみ思う俺だった。