バットを振って程よく汗をかいた俺たちは、近くのホームセンターに行ってお布団を見繕った。
そして、先にちょっと早めのお昼ごはんって事で、ラーメン屋さんへ。朝のイタズラの責任を取って、俺の奢りだ。
カウンターに並んでラーメンを食べる。
こういう、なんでもない時間がすごく好き。
モリモリ食べるまーくんを見てるとホント飽きないよ。
俺は自分の丼から大きなチャーシューを一枚、まーくんの丼に乗っける。まーくんはニコと笑って躊躇なくたいらげた。そゆとこも好き。
大きなお布団を抱えて二人でアパートへ帰る。その途中で、まーくんのスマホに着信だ。
「翔ちゃん?なに、どーしたの?」
まーくんは器用に顎と肩の間にスマホを挟んで話してる。落っこちやしないか、俺が心配しながらその様子を見てた。
「…うんうん。いいね!じゃまた連絡して」
電話を終えたまーくんが俺に笑顔を向けた。
「翔ちゃんがクリスマスパーティしよって!」
「えっ…」
「松潤も来るって。大野さんも来るかな?」
「…………」
俺はその言葉に立ち止まってしまった。
クリスマスにパーティ?
え、だって、だってさあ。クリスマスはまーくんのお誕生日なんだよ。
そんな、そんな…。
二人で過ごすかと思ってたのに…。
「かず?」
俺がついてこないのに気がついたまーくんが、振り返って俺を見た。
俺はよっぽど変な顔をしていたんだろう、まーくんが小走りで戻ってきて、少し屈んで俺の顔を覗き込んだ。
自分の子供っぽさが透けて見えるようで、俺は口ごもったまま目を逸らした。俺だけ、俺だけバカみたいじゃん。
「25日だよ?」
「…ぇ」
「パーティは25日の夕方!」
「あ、そ、そなんだ」
「なになに、そんなにイブの日楽しみにしてくれてんの?これは期待に応えなきゃな!」
俺は恥ずかしくて耳が赤くなるのがわかる。
更に、「誕プレはリボンつけたにのちゃんね♡」などと言われて、首まで赤くなってしまった。
バカだろ、バカだろ!
お布団で手が塞がってて、頭を叩けないのがすっごい残念だ。
「翔ちゃんがそんな野暮なこと、する訳ないだろ?あの翔ちゃんだよ?」
そうだ、そうだよな。
「24日は存分にイチャイチャしたまえ」とか何とか言ってそうな、ドヤ顔の翔ちゃんが頭に浮かんだのだった。