不安定に抱えられた状態で、ラグの上に二人で倒れ込む。毛足の長い緑のラグはちょっと草原を思わせた。
さっきまであったちゃぶ台は、いつの間にか畳まれて立てかけてある。用意周到だな。
けど、煌々と灯りがついたその下だと、すっぽんぽんの男二人ってなかなかマヌケな図だと少し笑っちゃう。女の子となら違うのかな。
ドラマとかで見るこういうシーンは、みんな似たようなムーディな感じだけどそういうものなの?
俺はこの、ちょっと笑えるまーくんとのイチャイチャが好きだ。色気がナイって言われそうだけどさ、そもそも俺だよ?色気を求められてもね。
合わせた肌が熱い。
日中外で走り回って日焼けたまーくんの手は、いつにも増して熱かった。それが気持ちいい。
とたんにさっきまで考えていたゴチャゴチャは宇宙の果てまで吹っ飛んで、俺はその熱に浮かされる。
ポタリとまーくんの汗が俺の顔に落ちた。
まーくんの汗の匂いも好き。ぞくぞくする。
俺は絡みついた腕に力を込めて、まーくんの顎に滴る汗を舐めた。
こんなにゆっくり身体を繋げたのは久しぶり。
家族の存在も帰る時間も気にしないでいいなんて、贅沢過ぎない?
「かず…」
まーくんの声だけを聞いて、応えて。
好きなだけ絡み合う。
途中からわけがわからなくなって、記憶が曖昧。って、どんだけだよ。
ただし、声はもうちょっと抑えたがよかったかも。朝起きたらカッスカスだったもん。
でもちゃんと布団に寝ててびっくりした。
隣で寝息を立ててるまーくんを見る。
形のいい鼻。少し開いた口元。乱れた前髪。
俺は穴が開くほど見つめた。
自然と笑みがこぼれる。
「まーくん、おはよ」
小さな声で言って、俺はその少し開いた口にキスをした。
そんな静かな朝。